こんにちは、ナレッジ推進室、漢方養生指導士「福田 貴之」です。
今年もゴールデンウィークがやってきましたね。
皆様はどこか行く予定はありますか?
5月といえば「五月病」が心配な時季でもあります。
正式には五月病という病名はないらしいのですが、ゴールデンウィーク明けに陥りやすい肉体的、精神的なトラブルともいわれています。
新入生や新入社員など新しい環境になった人は4月から1か月は極度に緊張し、学業や仕事、人間関係など構築してきたかと思いますが、ゴールデンウィークのように長い休みに入ると緊張の糸が切れ起きるのが「五月病」といわれています。
また隣の芝生が青く見えるように、ゴールデンウィーク中に学生時代の友達に会い、恵まれた仕事環境などを聴くと今の仕事に魅了を感じない・・・なんて人も出てきます。

ではどのような症状が出るのでしょうか?
身体的にどのような症状が出るかというと、睡眠障害、過食、拒食、過労などがあげられます。
そして心身的な症状としては、気分の不安、やる気が起きなくなるなどがあげられます。
このような状態を東洋医学でみると「気滞(きたい)」や「気虚(ききょ)」という状況で表すことができ、「気(き)」は簡単に説明すれば、私たちの動く活力であるエネルギーのことです。
特に「気滞」はエネルギーが滞ることにより、気持ちが落ち込みやすくなったり、お腹がはったり、胃に負担がかかったような状況が継続して起こります。
そんな状況に陥った場合はどのように気持ち、身体を立て直していけば良いのでしょうか?
どんな状況でもそうですが、「食事」「運動」「生活習慣」「睡眠」などを見直すことで今の状況を前向きに変えていくことができます。

気滞の人は香り良い食材や酸味のある食材を摂り入れて、滞っている気(エネルギー)を流してあげましょう。
ニラや紫蘇は身体を温め滞った気を流すことでイライラや落ち込む気持ちを楽にしてくれるといわれています。
柑橘系の果物も、香りと酸味で気の滞りを取り除いてくれるのでお勧めします。
気虚はエネルギーが不足している状況です。
エネルギー不足により風邪を引きやすかったり、体が冷えたり、疲れがとれずに怠く(だるく)なるような症状がでます。
気虚の場合も気滞と同じく、食事や運動、睡眠などを見直してみましょう。
気虚体質の人は消化に良く、身体を温める食材を積極的に摂りましょう。
身体を温めるのに生姜など良いと言われますが、刺激物でもありますので胃に負担がかかる可能性があります。
しかし温めるのには活用しやすい食材ですので少量使い、胃の負担を少なく活用してみましょう。
また雑穀類は「気(エネルギー)」を補うのに良い食材とされています。
玄米やモチ米などは栄養面でも気虚のエネルギー不足を補うのに良いといわれています。
芋類も同じくエネルギー不足を補うのに良いとされています。
これらの食材は、気虚の人に向いている食材ではありますが、胃腸に負担をかけやすいので十分に柔らかく調理し食べるように工夫しましょう。
運動面では、気滞・気虚の人は激しい運動などは体力を消耗しますのでお勧めしません。
ヨガやストレッチなど無理なく身体を動かし、身体を緩めることのできる運動がおすすめです。
ゆっくり散歩などで軽い有酸素運動も良いとされています。

そして身体を適度に動かして夜は十分な睡眠をとりましょう。
気滞の人は寝つきが悪いといわれていますので、軽い運動で軽度に疲れることで睡眠に入りやすくしてあげましょう。
気虚の人は睡眠中に必要な気や血が足りないため、十分に身体が休まるようしっかり睡眠をとってあげましょう。
今回は5月に向けての「五月病」対策のお話でした。
気滞・気虚が当てはまる人は、身体と心のバランスを取るためにもしっかり養生してくださいね。
以上です。
本日もお読みいただきありがとうございました。
ナレッジ推進室 漢方養生指導士 福田 貴之でした。

