こんにちは、ナレッジ推進室、漢方養生スタイリスト「福田 貴之」です。
いよいよ夏本番です。
これからは強い紫外線と暑さが私たちを襲います。
今月のコラムは8月の養生についてお話しいたします。
先月のコラムでは「暑邪」「湿邪」についてのトラブルをお話ししました。
引き続きこの2つの邪気は私たちを苦しめるのですが、8月に入るとより気温も上がり、もう一つの邪気が襲うようになります。
その邪気とは、「熱邪(ねつじゃ)・火邪(かじゃ)」とよばれ、気温が高くなると私たちを苦しめます。
名前からわかるように「熱」が根本に起きるトラブルで、「高熱」、「悪熱」、「発汗」、「口渇」などの症状が起こります。
この時季、「熱」から私たちを守るためにどのような養生を行えばよいでしょうか?
一番はコラムでもお話したことがある季節(旬)の食材を摂ることです。
この夏の暑さから守るために摂りたい食材は、体の熱を冷ます効果のある「夏野菜」です。
「トマト」「きゅうり」「ナス」
などは1年中食べることができるようになりましたが、「夏野菜」です。
夏野菜は「水分」を多く含み、「カリウム」が含まれている野菜が多いのが特長です。
水分を補給しながら暑くなった体の熱をカリウムの利尿作用にて冷やしてくれる働きがあります。
抗酸化作用のある「ビタミンC」や「ビタミンE」「βカロテン」などが含まれていますので紫外線で酸化しやすいこの時季は積極的に摂りたい旬の食材といえます。
また、夏の五行の「色」は「赤」、味は「苦」です。
夏は赤い食材と苦い食材を摂ることを漢方ではお勧めしています。
赤い食材は皆さん思いつきますでしょうか?
「トマト」「スイカ」「梅干し」「茗荷(みょうが)」「マグロ」などがあり夏の暑い時季に採ると良いといわれている食材です。
「トマト」や「スイカ」はリコピンというカロテノイドという色素成分が抗酸化をしてくれ、また夏野菜は体を冷やし熱を逃がします。
「スイカ」は水分を外に排出する役割をもつのでむくみなどの改善にも有効です。
「梅干し」はクエン酸により疲労回復や消化を助ける働きもあります。
そして「苦」の食材。
「ニガウリ」「ピーマン」「きゅうり」「レタス」「ミョウガ」などが苦みに属します。
「苦み」も体の熱をとる、体の余分な水を取り除く、体の老廃物を取り除く、神経の興奮を鎮めるというような作用がありますので、これからの暑い時季の食事の中に取り入れていきましょう。
暑さでこれからもっと熱中症に注意が必要になってきます。
「暑さをあまり感じないからクーラーを使わないで大丈夫。」
「喉が渇かないから水分補給しなくても大丈夫。」
「食欲がないから食事を抜こう」
などは熱中症や体力低下から夏風邪などをひきやすい状況を作ります。
今年も夏の暑さは私たちの健康を脅かします。
まずは自分でできることからはじめましょう。
食事からの養生は入りやすいですし、体感も実感してもらいやすいので今日からはじめてみませんか?
以上です。
本日もお読みいただきありがとうございました。
ナレッジ推進室 漢方養生スタイリスト福田 貴之でした。