こんにちは、ナレッジ推進室、漢方養生スタイリスト「福田 貴之」です。
今月のコラムは「風邪(ふうじゃ)」についてお話しをしてみたいと思います。
春にやってくる病の原因を「風邪(ふうじゃ)」とよびます。
六淫(ろくいん・りくいん)のうちの一つで「風邪(ふうじゃ)」「暑邪(しょじゃ)」「火邪(かじゃ)」「湿邪(しつじゃ)」「燥邪(そうじゃ)」「寒邪(かんじゃ)」の6つの邪気(じゃき)のうちの一つです。
今回は春に訪れる邪気、「風邪(ふうじゃ)」についてお話しいたします。
「風邪(ふうじゃ)」は2月から4月に私たちの上半身を狙って襲う邪気です。
邪気は私たちにとって病の原因になるものをいいます。
本来私たちは正気(せいき)といって気血水(きけつすい)や陰陽(いんよう・おんみょう)などの元々持っている生命の力、自然治癒力と、病の元である邪気(じゃき)が戦い、邪気が勝つことで私たちは病や体調不良に襲われるといわれています。
今回お話しする「風邪」は文字のごとく「風」のように身体を駆け巡り、暴れまわることで起きる体調不良です。
「風」は季節に関係なく一年中吹いていますので「風邪(ふうじゃ)」は1年を通して起こる邪気です。
特に「風」ですので身体の上半身を襲い、頭痛やのぼせ、肩こりなどの原因になるといわれます。
また、他の六淫(ろくいん)と一緒に入ってきますので色々な症状を引き起こします。
そのため「風邪は百病の長(かぜはひゃくびょうのちょう)」とよばれ、風邪はあらゆる種類の病気のもとになるので、用心しなくてはいけないのです。
では「風邪(ふうじゃ)」を防ぐにはどのようなことに注意しなくてはいけないのでしょうか?
「風邪(ふうじゃ)」は「風邪(かぜ)」のことでもあり、風邪(かぜ)は季節に関係なくかかる病です。
しかし春は意外と皆さん油断して、風邪を引く人もいるのではないでしょうか?
風邪を引かないために、この時季は免疫力を上げることをするようにしましょう。
まず、風邪(ふうじゃ)が入り込まないように「首」のつく箇所はしっかりと守ります。
「手首」「足首」「首」「腰回り(くびれ)」はストールやマフラー、腹巻などでしっかりと温めましょう。
もしホッカイロなど持っていれば、お腹や背中も温めると良いと思います。
首の付け根や、背中には「風池(ふうち)」「風門(ふうもん)という「風」が入ったツボがあります。
風邪(ふうじゃ)が入り込まないようにしっかりと温め、防御することで免疫力もあがります。
食材では春キャベツや新じゃがいもなどはビタミンCを多く含み、免疫力アップにつながります。
タケノコも旬で、不溶性の食物繊維が腸内の腐敗物を排出しやすくし、腸内環境を整える手助けをしてくれることで風邪(かぜ)をひきにくい状態にしてくれます。
また、飲み物も冷たい飲み物ではなく、温かい飲み物を摂り、身体を冷やさないように注意しましょう。
春は「陽」が動き出し、身体も心も活動的になりますので、何かスタートするのに良い季節ではありますが、三寒四温(さんかんしおん)で体調を崩しやすくする時季でもあります。
発熱や悪寒がある場合などは風邪(ふうじゃ)と寒邪(かんじゃ)が組み合わさって、悪さをしていますので葛根湯などで身体を温めてあげましょう。
症状がひどい場合は麻黄湯で身体を十分温めてあげましょう。
まだまだ寒い日や暖かい日を繰り返す3月は体調を崩しやすい季節でもあります。
少しでもおかしいな?と思ったら身体を温めてゆっくりするようにしましょう。
現代ではすぐに薬に頼りがちになりますが、微熱であれば身体がウイルスと戦うために体温を上げていますので、38度くらいまではあまり薬に頼らずにゆっくり休んで身体を元気に戻しましょう。
以上です。
本日もお読みいただきありがとうございました。
ナレッジ推進室 漢方養生スタイリスト福田 貴之でした。