こんにちは、漢方養生スタイリスト「福田 貴之」です。
今回のテーマは「発陳(はっちん)」についてお話したいと思います。
はじめて聞く言葉の人もいるのではないでしょうか?
この「発陳」について興味を持っていただけると嬉しく思います。

「発陳(はっちん)」とは春の3か月の期間をいいます。
意味は「発生(はっせい)」と同じ意味を持ち、これからいろいろな物が息吹くイメージを持っていただくと良いと思います。
ただし、良いものだけが息吹くのではなく、悪いものも芽生えてきます。
この時期はアレルギーや眠っていた持病などが活動を開始します。

そんな「春(はる)」は「張る」「発る(はる)」という言葉からきており、色々な生き物が新しく生まれてくる時期のことをいいます。
冬の寒い時期の「陰(いん)」の時期から「陽(よう)」に移り行き、みなぎる力が湧いてくる季節でもありますが、上手に「陽」をコントロールできないと悪いものも一緒に活動を開始してしまいます。
そんな悪いもの(アレルギーや落ち着いていた持病)が出てこないように、また出てきても対処できるように、毎日の生活習慣を整えていきましょう。

「春」を五行でみていきましょう。春は「木」です。
影響を受ける臓器は「肝(かん)」。
「肝」は、胆(たん)・自律神経・筋肉・目・爪に影響を及ぼします。
「肝」については前のコラムでも少し記載していますが、「気血水」の流れをコントロールする働きを持っています。特に「気(エネルギー)血(栄養)」をコントロールしており、この2つの流れが滞ることで体調不良を起こします。

その他の役割として、血をためたり、精神的に安定させたり、筋肉や目や爪の健康に影響を及ぼしているといわれています。
そして「胆」は「肝」のサポートをしており、飲食の代謝や「肝」を助けながら精神的な安定のお手伝いをしているといわれています。

そんな「春」の体調不良を良くしていくためには、五行を見ていくと、「酸(さん)」が影響をします。
【気滞(きたい)】
「気滞(きたい)」は漢字の通り、気(エネルギー)が滞ることです。気が流れにくくなることで起こる体調不良として以下のような症状が出てきます。
イライラ・怒りやすい
情緒が不安定になりやすい
気分が塞ぎこみやすい
便秘と下痢を繰り返す
下半身が冷えるが上半身は熱い
浮腫み
目の充血
肩こりや頭痛
などが起こりやすくなります。

そんな症状が出て辛い時は、「酸味」と「香り」を上手に活用し、簡単にできる食養生を行いましょう。
「酸」は「気」の流れを良くする力があると言われており、「気」は「元気」の「気」です。
また香りの良い食材も「気」を流すと言われていますので、「春」は香り良く、少し酸味のある食材を採ってみると良いのではないでしょうか。

スーパーなどに行き、「旬」のものやこの時期によく見かける食材などは「今」摂りたい食材でもあります。
五行の色でいうと「春」は青。青い野菜やハーブなども春の不調を整える力を持っています。
柑橘類、セロリ、トマト、ピーマン、せり、きんかん、などを毎日の食事に少しだけ取り入れてみましょう。
香りの強いハーブティーなども精神安定に役立ちます。

そして、その他の「養生(ようじょう)」としては以下のものがあります。
「身体を冷やさない」
春は「風邪(ふうじゃ)」に襲われやすくなります。入りやすい箇所は背中や、首の後ろと言われています。
「風邪(ふうじゃ)」が入らないように、首にストールなどを巻いて冷やさないようにしましょう。
前にもお伝えしたように「くび」が付くところは冷やさないようにすることが大切です。
※手首・足首・首・くびれ(ウエスト)

その他にも「腹7分目にする」「早寝早起きする」「軽度な運動をする」など、聞けば当たり前の健康法なのですが、特に春の養生として伝えられています。
そこには昔の人の生活の知恵が沢山詰まっています。きっと春はこの当たり前の健康法がとても重要なのでしょうね。
全てを行っていくのは難しいと感じてしまいますが、一つでも意識して取り入れてみましょう。

以上です。
本日もお読みいただきありがとうございました。
漢方養生スタイリスト福田 貴之でした。