こんにちは、漢方養生スタイリスト「福田 貴之」です。
今回のテーマは「花粉症、アレルギーについて」です。
この時期になると「花粉症」に悩まされる人が多くなりました。
昔から「花粉症」という病はありましたが、季節性のアレルギー、または鼻炎がある人は大変だな。
という程度の認識しか一般的にはなかったと言われています。
私も子供の時に「花粉症」という言葉は知らなかったと思います。
花粉症は「現代病」とも言われ、生活習慣病の1つとも考えられるのですが、
実は大昔からある病気で紀元前1800年ごろにはバビロニアに花粉症の症状があったような呪文が残されていたようです。
また、ヒポクラテス(古代ギリシャの医師)によると「季節と風と体質」に関係する病気として記述が残っていました。(「季節と風と体質」とは「花粉症」そのものを現した、わかりやすい表現ですね。)
そんな大昔からある花粉症ですが、先ほども記載したように「現代病」とも一部呼ばれており、
春のスギやヒノキの花粉が飛び散る時期は多くの人が悩まされるようになりました。
色々な理由があるとは思いますが、私のような中年が子供のころには多くなかった花粉症がどうしてこんなに多くの人が悩むような病気になってしまったのでしょうか?
その一つが生活習慣だと言われています。
記載が全てではありませんが、
食事での栄養バランスの乱れや腸内環境の悪化によって免疫の低下、アスファルトなどの道路の整備が整うことでメリットも多いですが、花粉が何度も舞い上がるような環境になってしまっていることも原因と言われています。
なんとも大変な花粉症ですが、今回も「東洋医学」や「漢方」で考えてみましょう。
アレルギーや花粉症の大きな原因として言われているのが
① 冬の養生不足(不摂生)
② 正気(せいき)が足りていない【気虚(ききょ)→エネルギーやパワー不足】
と言われています。
冬の養生不足で言えば、漢方では冬は「収納」「収蔵」「蓄える」季節と言われています。
そして冬は2つの「邪(じゃ)」に襲われやすく、「風邪(ふうじゃ)」は痒み、「寒邪(かんじゃ)」は透明な鼻水や涙が症状として現れると言われています。
春に向けて陽気をため込む際に実は、陽気と一緒に風邪や寒邪を一緒にため込み、春の「発散」と共にため込んだ陽気と一緒に、風邪や寒邪を吐き出した結果が花粉症と言われています。
「漢方」でアレルギーなどの不調については「臓腑(ぞうふ)の不調」とも言われており、臓腑の中でも
◇脾胃(ひい)
◇肺(はい)
◇腎(じん)
のパワー不足が影響していると言われています。
パワー【気(き)】不足していることを「気虚(ききょ)」をつけて説明します。
上記の臓腑でいえば
◇脾胃→脾気虚(ひききょ)
◇肺→肺気虚(はいききょ)
◇腎→腎気虚(じんききょ)
と呼ばれています。
細かく記載すると膨大な量の内容になりますのでコンパクトに説明すると、この3つの臓腑の「気虚」によってアレルギーや花粉症が起きていると考えます。
※気の働きの中に「防御作用」があり、外邪(がいじゃ)と言う病気の原因の侵入を防ぐ働きがあります。
気虚によって「防御作用」が弱ることでアレルギーや花粉症が発症すると考えられます。
脾気虚(ひききょ)で考えると下記の症状があり、当てはまる人は「脾気虚」を疑い生活環境や生活習慣、食生活を整える必要が出てきます。
過敏性鼻炎・過敏性胃炎・湿疹・消化不良・軟便・手足が冷たい・寝ているときによだれが垂れる・舌の縁に歯根がついているなど
こんな症状が起きる脾気虚(ひききょ)の人の原因はというと
・飲食の不摂生(加工食品・冷たいものの取りすぎ、外食が多い・暴飲暴食・早食いなど)
・過労
・睡眠不足
・物事を重く考えすぎる人
などが原因だと言われています。
改善方法としてはいろいろありますが、まず自分で簡単に出来ることは食生活の改善ですよね?
100を0にするのは、いきなり難しいかもしれませんし、好きなものを辞めることは心の負担になる可能性もあります。
無理せずにまずは意識して減らす、または不足しているものは積極的に摂取していきましょう。
補う食材としてはこんな食材があります。
山芋、サツマイモ、ゴマ、ハト麦、白米など
脾気虚の人はエネルギー不足を補うために芋や米などを採ると良いと言われています。
肺気虚は脾気虚が長引くと肺気虚につながると言われています。
まずは、脾気虚を長引かせない、ならない為にも、食生活の見直しを行っていきましょう。
特に、冷たいものや生野菜を食べて体を冷やさないように、外食は出来るだけ控えて食品添加物の少ないものを口に入れるようにしましょう!
よく噛んで消化良い状態で食べ物を取り入れ栄養が入りやすい状態にすることも大切です。
しかしどんなに頑張っても肺気虚になってしまう人もいます。
そんな時は、脾気虚の養生にプラスして、気を発散させてしまう香辛料や辛い物は控えて、肺の気をこれ以上発散させないようにしましょう。
最後に腎気虚(じんききょ)です。
腎気虚はアレルギーや花粉症に直接関係があるわけではないのですが、脾や肺と関連が強いと言われています。
この3つは水に関係が強く、腎が弱くなることで水っぽい鼻水や鼻詰まりを起こすと言われています。
本来の腎の役割はアンチエイジングです。
年齢を重ねると出やすいトラブルのため、基本的に子供には現れません(疾患などお持ちのお子さんの場合は腎気虚が現れる可能性もあります)。
足腰の痛みや冷え、泌尿器トラブルなどが起きやすく、ここまでくると食事だけでは難しい可能性もありますので、ひどい場合はお医者様やお薬、サプリメントを頼りましょう。
年齢的なこと以外には睡眠不足や持病なども関係しますので腎を助け、
体を温める食材(海老・くるみなど)や黒い食材(黒ゴマ・黒米・黒豆)を採ると腎に良いと言われています。
ここまで悪くならないように、しっかりと養生をしてアレルギーや花粉症に負けない体つくりをしてまいりましょう。
花粉症やアレルギーに悩まされる毎日。
嫌な気持ちになりますが、ちらほら桜も咲き始め、日本の春がやってきました。
美しい日本の四季を気持ちよく体感できるように、花粉症、アレルギー対策、始めてみませんか?
以上です。
ありがとうございました。
漢方養生スタイリスト福田 貴之でした。