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  • 中野 裕弓

新札の門出を祝う

今年は新札が発行された記念すべき年ですね。
3種類の新札は2024年7月3日に世間に出回わり巷はちょっとしたお祭り騒ぎになりました。

新札の肖像には、
千円札  北里柴三郎
五千円札 津田梅子
一万円札 渋沢栄一
が選ばれました。

あんなに薄い紙幣なのに偽造防止のためのホログラムはデザイン性も高く精巧にできていますね。

初めて新札を手にした時はワクワクしましたがあれから3ヶ月、もうその新しいデザインと手触りにも慣れてしまいました。

今では新旧のお札が仲良くお財布に収まっています。

私は以前、風水を学んだ方に伺って、Feel Goodになるお財布をプロデュースしました。

お札はのびのびと収納されると喜ぶので長財布がいいということでした。(長財布とコインパースのツインセットは好評ですべて完売しました)

お金はお金が大好きな人、お金を大切にするところに集まる、とも聞きました。

とはいえ…
日本では昔から“お金は汚いもの”と認識されたり、お金のことを口に出すのははしたないともいわれてきました。

拝金主義でお金が一番とすることも、反対にお金は卑しいものと苦手とすることもなく、フェアに付き合っていきたいものです。

お金を大切にするってどういうことでしょう。

粗末にしないこと?

あら、急に昔の話を思い出しました。
50年も前のロンドンです。
その時私は比較的裕福な家庭に下宿していました。

年配の奥様はその日、ハロッズに出かけていきました。
王室御用達の有名なあのハロッズです。
目的のお買い物をした後、ミセスバーンズは台所で使う小さな調理器具も買ってお帰りになりました。

ところがそれが少し不具合だということで、わざわざ電話をして地下鉄に乗って取り替え(か、払い戻し)に行きました。

あまり高いものではなかったし、地下鉄の往復の方が時間も費用ももったいないと、私だったらもうそれはいいことにするかしら…なんて考えたのです。

ところがミセスバーンズは、「お金の額の問題ではないの。自分が払ったものの、正当な対価を受け取らないのは私は納得できないの」とキッパリ。

現代の日本では100円ショップで買ったものが、不具合があっても、安いからいいわ…なんて安易に考えてしまう消費文化はモノにもお金にとっても失礼なんですね。

お金を大切にする、ということはその額ではなくて、そのものに対するリスペクトということなのでしょうか。

今振り返るとちょっと考えさせられる出来事と今でもはっきり覚えています。


※ミセスバーンズからいただいた思い出の品

さて、
もう一つお金を大切にするというエピソード。

それは、新札が私のお財布に来たときふと思い出す一人ゲームです。
 
それは…
自分のお財布から新札でものを支払うときに、心の中で「よい旅を…💕」とつぶやいて送り出すのです。

お金は天下の周りもの

お金には良いも悪いもありません。
でも、それを使う人の気持ち、目的によって幸せを運んでくるものにもなるけれど、世の中に不都合や悲しみをもたらすものにもなり得るということです。

もし私が新札だったら、初めてお財布を出て世の中にデビューするとき、ドキドキでしょうね。

私を使ってお孫さんが喜ぶおもちゃを買うかもしれないし、もしかしたら人を騙したり悪いことに使われるかもしれない。

もしお札にモニターがついていたら、今どの辺をどういう気持ちで旅をしてるか…SF小説でも書いたら面白いと思いました。

今度、ピン札があなたのお財布から長い旅に出ようとする時、小さな声で「幸せな旅を…🩷」なんてつぶやいてみたら楽しいと思いませんか。

2024.10.25
Romi

SNSSHARE

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COLUMNIST
中野 裕弓
人事コンサルタント
ソーシャルファシリテーター
中野 裕弓
HIROMI NAKANO
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19歳で語学研修のためロンドンに渡り、その後9年に及ぶ英国生活を経て、
東京の外資系銀行、金融機関にて人事、研修などに携わる。

1993年、ワシントンD.Cにある世界銀行本部から、日本人初の人事マネージャー、人事カウンセラーとしてヘッドハントされ世界中から集まったスタッフのキャリアや対人関係のアドバイスに当たる。

現在は一人ひとりの幸福度を上げるソーシャルリース(社会をつなぐ環)という構想のもと、企業人事コンサルティング、カウンセリング、講演、執筆に従事。 また2001年に世界銀行の元同僚から受けとったメッセージを訳して発信したものが、後に「世界がもしも100人の村だったら」の元となったため、原本の訳者としても知られる。

「自分を愛する習慣」をはじめ、幸せに生きるためのアドバイスブックや自分磨きの極意集、コミュニケーションスキルアップの本など著書多数。

2014年の夏、多忙なスケジュールの中、脳卒中で倒れ5ヶ月の入院生活を経験する。
現在はリハビリ療養の中で新しいライフスタイルを模索中。脳卒中で倒れたことが人生をますます豊かで幸せなものにしてくれたと語る。

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