• 中野 裕弓

「よかったですね」で始まる対話

カウンセラーとしてご相談を受けるとき、お話がどんな内容であっても聞き終わった後、私の言葉はこの一言
「よかったですね」

自分の人生が今までいかに厳しいものであったか話してくださるクライアントさんもいます。
でもその方にも「よかったですね」から始まるのです。

それを聞いたご本人はびっくりされます。
今までどれだけ大変だったかを一生懸命説明したのに「よかったですね」とは…

例えば
「就職が決まりました」→よかったですね。
「リストラで仕事を辞めました」→よかったですね。
「娘の結婚が決まりました」→よかったですね。
「いろいろ考えて離婚することにしました」→よかったですね。
「手術が成功して回復しました」→よかったですね。
「健康損ねてしまいました」→よかったですね。

どんな厳しい大変な状況も、見方を変えるとそれが一瞬にして、ポジティブなものに見えてくる…そのきっかけが「よかったですね」という返答なのです。

人生には喜ばしいこと、嬉しいこと、困ったこと、悲しいこともいろいろ起こります。
その度に私たちの気持ちはアップダウン、一喜一憂します。

それをこんなふうに考えてみたらいかがでしょう。

“自分に降りかかる出来事は
全て私の魂が成長し、
進化するために起こっていると”

もちろん、病気やお金を失ったり、信じていた人に裏切られたり、人間関係の離別、失職、どう考えても良かったと思えないことだって起きます。

そういう話を聞いたときの相手の反応が「酷い、それありえない」「あなたお気の毒、可哀そう」「悪いのは誰?相手?あなた?」「許せない、リベンジしなきゃ」…なんて言われたらどうでしょう。

悪者探しを始めたり、自分を責めたり、自己憐憫などのマイナスの思いが募ります。

たくさんの人をカウンセリングしてきて思うことがあります。

人が人生に幸せを感じるかどうかはその人に起こった出来事の良し悪しによるのではなく、その出来事をどう捉えるかによるのだと思うのです。
いわゆるピンチはチャンスの種、と考えることができるかどうかにかかっています。

ですから、私は何を聞いてもまずは「よかったですね」と受け止めます。
そして冷静にどんなところがよかったかをお話しします。

例えば離婚することになったときには→「自分らしく生き直すチャンスが来たんですね。」

仕事を失ってしまったときには →「今まで本当にやりたかったことに向き合うチャンスが来ましたね。」

親友に裏切られてしまったというときには →「新しい友達が現れるタイミングですね。」

困難に直面したときも最初どう向きあうかによってその展開は本当に違います。
最初のリアクションが肝心。

ところがそんなとき、
通常陥ってしまうのが”被害者マインド”。
なんで私だけが?など。

そして他人を、周りの誰かを、国を、社会を、時代を恨んでしまったり。
自分の自己肯定感はどんどん下がっていきます。

●思い出してください。
私がいつもお伝えしている3つの宇宙の決まりごと。

1、世の中に偶然は無い、すべては自分の成長のために起こるべくして必要があって、起きていること。無駄は無い。

2、すべては絶妙のタイミングで起こるので、あれこれ思い悩む必要は無い。これでよかった。

3、人生においてその人が乗り越えられないことは起きない。独力だけでなく、周りの人も力を借りて必ず乗り越えていく。

この3つを考えていると、自然に何が起きても「よかったですね」から物事を発想していることに気づきました。
まずは「よかったですね」と言うところからスタートすると、自分の脳の中で自動的に“良いこと探し”が始まるのです。

そのうちにこれも自分が書いてきたシナリオ通りのことなんだと腑に落ちて何が起きても穏やかで動じない心が育ってきます。
それが平静心、不動心ですね。

一方、
「ひどいことが起きたね」という言葉でスタートすると、あなたの中でひどいこと探しを始めるのです。
そうすると今起こったことだけでなく、昔の過去までさかのぼって、私はいつもこんなふうについてなかった、損してたと言う。
まさに被害者意識の権化になってしまうのですね。

何が起こっても、すぐに
「よかった〜」で対応を。

2025.10.23
Romi

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COLUMNIST
中野 裕弓
人事コンサルタント
ソーシャルファシリテーター
中野 裕弓
HIROMI NAKANO
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19歳で語学研修のためロンドンに渡り、その後9年に及ぶ英国生活を経て、
東京の外資系銀行、金融機関にて人事、研修などに携わる。

1993年、ワシントンD.Cにある世界銀行本部から、日本人初の人事マネージャー、人事カウンセラーとしてヘッドハントされ世界中から集まったスタッフのキャリアや対人関係のアドバイスに当たる。

現在は一人ひとりの幸福度を上げるソーシャルリース(社会をつなぐ環)という構想のもと、企業人事コンサルティング、カウンセリング、講演、執筆に従事。 また2001年に世界銀行の元同僚から受けとったメッセージを訳して発信したものが、後に「世界がもしも100人の村だったら」の元となったため、原本の訳者としても知られる。

「自分を愛する習慣」をはじめ、幸せに生きるためのアドバイスブックや自分磨きの極意集、コミュニケーションスキルアップの本など著書多数。

2014年の夏、多忙なスケジュールの中、脳卒中で倒れ5ヶ月の入院生活を経験する。
現在はリハビリ療養の中で新しいライフスタイルを模索中。脳卒中で倒れたことが人生をますます豊かで幸せなものにしてくれたと語る。

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