• 中野 裕弓

人間関係のバームクーヘン

現在の地球の人口はどれぐらいかご存知ですか?
なんと81億人だそうです。

私が「もしも世界が100人の村だったら」の本の元になった文を和訳して日本に紹介したのが2001年。
あの文章には、世界の人口は60億とありました。

あれから25年で、世界の人口は81億に!

 

あなたの人生、その世界人口の何人ぐらいとご縁ができてお付き合いすることになると思いますか?
何百人?何千人?
想像がつかないですね。

私たちの日常のストレスは、実は人間関係から来ることがとても多いのです。今日はそのことを考えてみたいと思います。

 

●バームクーヘンの図

一人一人が一生の間に関わりを持つ人たちを「バームクーヘンの図」を使って仕分けをしてみましょうか。

まず白い紙を用意してください。

その中央にちっちゃな丸を置いてください。それがあなた自身です。

そのちっちゃな丸の周りに3重の円を書いてください。
まるでバームクーヘンのようでしょ。

 

●まだ知らない人

バームクーヘンの外の余白の部分には”まだ知らない人”と書きます。
世界中の80億以上のほとんどの人がこのエリアに入りますよね。

“まだ”と入れました。
人との出会いは不思議です。
ありえないようなびっくりすることから出会いが生まれ、一生の友達になったりします。だから80億の人の中にも可能性を秘めておきましょう。

 

●知り合いゾーン

“まだ知らない人”のエリアに1番近い大きな円。そこは“知り合いゾーン”といいます。

毎日会社で出会う同僚
深く話した事は無いけど、顔は知ってるご近所の人
毎朝、通勤途中で出会う人
学校で同級生だった人
子どもの授業参観で会釈はする人
ご近所のお店の人
宅急便を届けてくれる人
同じマンションの住人、etc.

いわゆる親しくはないけれど、お互いが存在を認識している人たち。
その人たちはみんな”知り合いゾーン”の人間です。かなり大きなゾーンが必要ですよね。

 

● 友だちゾーン

次に知り合いよりもう一つ内側の円。そこが”友だちゾーン”です。

一緒に食事をしたり、お茶を飲んだりする親しい友達、たまには旅行にも一緒に。
仕事仲間でとても気の合う人、
環境が似ていて話の合う人、
学生の頃は親しいわけじゃなかったけど、今は何でも話せる大切な友達、
困ったときに助けてくれる友人、
いつもあなたを導いてアドバイスをくれる人

つまり、知り合いから一歩進んで、もっと深い関係近い距離になった人たちは、みーんなこの友達ゾーンに入ります。

通常はここでおしまいです。

 

●心友❤️ゾーン

あなたに最も近いところにもう一つ小さな円が。

ここが残りの人生、1番大切になる”心友ゾーン❤️”

ここは特別なゾーンです。
ここのゾーンに入る人が1人でも2人でもいたら、あなたの人生はとても充実するでしょう。

ではどんな人が心友❤️なのか考えてみましょう

お互いに自分の気持ちを何でも話せる理解者
一緒にいると安心して安らぐ人
どんな状況になってもいつもあなたの味方いてくれる人
お互いいつも等身大の自分で付き合える
気持ちに共感できる
頻度は少なくても交流するといつも心が安らぐ人
お互いに人生を重ねて成長していける人
いつも前向きで愛ある言葉を語る人
自分のことが大好きな人

などなど

 

もしもあなたの1日のエネルギーを相手のことを考えるだけで、気が重くなる人のために使っていたらもったいないと思いませんか。

若い頃、私は直属の上司が苦手でした。彼女はとても仕事に厳しい人でいつも私の仕事をチェックされているような気がして、だんだん会社に行くのが辛くなりました。

家へ帰っても話題はその上司のこと。つまり愚痴とぼやきで、私のプライベートの時間は占められていたのです。

今ならわかります。
その上司の女性をこのバームクーヘンの図に配置してみると…。
“知り合いゾーン”でした。

それなのに、私はその人とのことにエネルギーをいっぱい使っていました。だから、いつも心は不満だらけでネガティブな気分でした。あぁ、もったいないことをしました。

“知り合いゾーン”の人には全エネルギーをかけなくても大丈夫です。感情は横に置いて、冷静に仕事をこなし、それ以上は心を奪われないことです。

 

Q: 職場の人ならそれでもいいけど、その人のことを考えると、心が重くなって辛いと言う人が家族だったらどうする?

A: 私の場合もそうでした。

父がとても厳しい人だったので、若い頃、私は正直苦手でした。
父には反論できないような親子関係でしたから、このバームクーヘンの図を作ったときに、1番最初に知り合いゾーンに移ってもらったのがなんと父でした。

もちろん本人には言いません。笑
父のことを考えると、ビクビクしたり、緊張したりすることを考えたら、できるだけ私よりも遠いところに座っていてほしいと思ったのです。

そうすると実家に帰って父と会った時だけは緊張しましたが、それ以外は私の毎日を脅かすことはなくなりました。

 

● 礼節ざぶとん

それでも肉親を1番遠い知り合いゾーンに…? ちょっと罪悪感はありました。そこで知り合いゾーンの1番外側に長いベンチをイメージしてそこに座布団を敷いて父に座ってもらいました。その座布団は「礼節ざぶとん」と名付けました。

お父さん、嫌だから遠くに行って、ではなくて、ここに座っていてくれた方が、私の毎日の人生がもっと楽になるので、と心を込めて、礼節ざぶとんを敷きました。

このバームクーヘンの面白いところは一度仕分けさせてもらったゾーンから移動が自由だということなのです。

若い頃あんなに意見がぶつかっていて知り合いゾーンのベンチにいた父。それが時を経て父との関係がどんどん好転し母の介護のときにはとても良いチームになれました。そしてなんと最後は私の心友ゾーンの大切な存在となりました。

親だから敬わなければいけない、親だから従わなければいけないと縛られる考えから離れて、バームクーヘンのどこに位置してくれたら、私が心地良いかということを真剣に考えたから、避けていた父の良さがだんだんわかって、いつの間にか大変身近の尊敬すべき人物となりました。このバームクーヘンに感謝してます。

人間関係は実は好き嫌いで考えるとストレスです。

皆様も周りの人間関係を冷静に
このバームクーヘンの図に配置して、お互いの距離間だけを大切に考えること、そうすると対人関係のストレスがずっと楽になりますよ。

2026.10.27
Romi

SNSSHARE

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COLUMNIST
人事コンサルタント
ソーシャルファシリテーター
中野 裕弓
HIROMI NAKANO
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19歳で語学研修のためロンドンに渡り、その後9年に及ぶ英国生活を経て、
東京の外資系銀行、金融機関にて人事、研修などに携わる。

1993年、ワシントンD.Cにある世界銀行本部から、日本人初の人事マネージャー、人事カウンセラーとしてヘッドハントされ世界中から集まったスタッフのキャリアや対人関係のアドバイスに当たる。

現在は一人ひとりの幸福度を上げるソーシャルリース(社会をつなぐ環)という構想のもと、企業人事コンサルティング、カウンセリング、講演、執筆に従事。 また2001年に世界銀行の元同僚から受けとったメッセージを訳して発信したものが、後に「世界がもしも100人の村だったら」の元となったため、原本の訳者としても知られる。

「自分を愛する習慣」をはじめ、幸せに生きるためのアドバイスブックや自分磨きの極意集、コミュニケーションスキルアップの本など著書多数。

2014年の夏、多忙なスケジュールの中、脳卒中で倒れ5ヶ月の入院生活を経験する。
現在はリハビリ療養の中で新しいライフスタイルを模索中。脳卒中で倒れたことが人生をますます豊かで幸せなものにしてくれたと語る。

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