こんにちは!ドクターリセラでエステティシャンへのお役立ち情報を発信する大林です。
エステ業界は、時代の変化とともに市場環境や消費者ニーズが大きく変動しています。
近年は店舗数増による競争激化が顕著で、特に小中規模のエステティックサロンを経営する方々は、エステ業界で生き残るための適切な戦略や取り組みが重要となります。
そこで今回のコラムでは、エステ業界が直面している課題と、その中で生き残るための具体的な戦略について解説します。
今後のエステティックサロンの経営戦略を考える上での参考にしていただければ幸いです。
近年の生活様式や価値観の変化に伴い、エステ業界でも市場規模の変化や消費者ニーズの多様化など、さまざまな変化が起きています。
まずは、現在のエステ業界の市場動向を詳しく見ていきましょう。
エステティックサロンの市場規模は、ここ数年縮小傾向にあります。
2020年の新型コロナウイルス感染症に対する「緊急事態宣言」でさまざまな業種の利用が大幅に縮小したのは記憶に新しいですが、その後も緩やかに縮小しています。
コロナウイルスが落ち着き始めた最近では、女性顧客の来店回数自体は増加傾向となっていますが、1回あたりの利用時間が短くなり、そのために利用料金の総額は縮小していると考えられます。
一方で、メンズエステ市場は拡大傾向にあります。
コロナ禍でオンライン会議が増加したことにより、画面で客観的に自分の姿を見ることも増え、男性自身が容姿を意識するようになったことが大きな転機であると考えられます。
また、美容意識が高く、ジェンダーレスな考え方を持つ若年層がエステ施術に関心を持ち、実際にエステティックサロンを利用し始めているのも特徴です。
今後も、エステ業界全体で新規顧客として若年層や男性の取り込みが進んでいくでしょう。
エステティックサロンの施術は安価で手軽に利用できるものが増え、アクセスしやすくなったことで利用者層が拡大しました。
また、施術の技術やエステ機器の進化などにより、低価格でも高品質なサービスが提供されるようになったことで、効果と安全性を両立しながら、多様なニーズに応える業態へと進化しています。
一方で、店舗数の急速な増加に伴い、消費者トラブルも増加しており、「予約が取れない」「解約できない」「施術による怪我」「倒産時に費用が返金されない」など、さまざまなトラブルが報告されています。
国民生活センターへのエステに関する相談も多く、2024年にはエステ業界の倒産件数が過去最多を記録しました。
従来のテレビCMやチラシ、フリーペーパーによる集客から、インターネットを活用した集客へとシフトが進んでいます。
特にSNSを活用した集客は、ターゲットを絞り込んだ若年層へのアプローチに効果を発揮しています。
また、オンライン予約システムの導入によって、効率的な予約管理と顧客の利便性向上も進められています。
続いて、エステ業界全体が抱える主な課題について詳しく見ていきましょう。
少子高齢化の影響により、他業界と同様、エステ業界でも人手不足が深刻化しています。
特にエステティシャンの多くを占める女性スタッフは、結婚や出産、育児などのライフイベントにより離職するケースも多く、人材の定着率の低さが課題に。
また、優秀な人材は大手エステティックサロンに引き抜かれたり、独立開業したりするケースも多く、小中規模サロンにとって人材確保は大きな課題となっています。
エステ業界は取得必須の資格がないため、参入障壁が低く、新規開業は比較的容易です。
しかし、そのぶん店舗数も多く競争が激しくなることから、安定した売り上げのための効果的な集客が大きな課題となっています。
特に個人経営を含む小中規模サロンは、大手エステティックサロンと比べて広告宣伝費が限られており、大規模なマーケティング活動が困難な状況も。
インターネットを利用した広告は比較的低コストで実施できるものの、運用ノウハウが不足していることで、効果的な広告を実施できていないケースも多いです。
近年、セルフエステや定額制の通い放題プラン、低価格サロンなどの登場により、価格競争が激化しています。
顧客にとっては選択肢が増えるメリットがある一方、価格競争に巻き込まれたサロンは売上や経営の安定化が難しくなることも。
過度な価格競争は、エステ業界全体の縮小にもつながる可能性もあります。
飽和状態の市場の中、顧客に選ばれる店になるためには、他店との差別化が不可欠です。
高品質なサービスを提供するのはもちろん、自店独自のメニューやユニークな顧客体験、そしてそれを効果的なマーケティングにより周知していくことが重要です。
エステティックサロンを開業したものの、経営の安定化に苦慮しているという経営者は少なくありません。
一般的に、開業後1年で60%、3年後には90%が廃業するといわれており、10年後まで存続できるサロンはわずか5%程度といわれています。
今後もエステ業界の市場規模は、ほぼ横ばいが予想されています。
競争が激化し、厳しいエステ業界の中で、小中規模のエステティックサロンが生き残っていくためには、今後の業界動向を把握し、適切な経営戦略を立てて実行していく必要があります。
ここでは、これからのエステティックサロン経営で検討すべき具体的な戦略をご紹介します。
今までエステ業界のメインターゲットとなっていた女性客は飽和状態。
今後は、メンズエステや介護脱毛、リラクゼーションなど、新たな顧客と需要を見据えたサービス展開が重要です。
また、SNS広告やリスティング広告などターゲットに届きやすい広告手法を活用し、新規顧客の獲得を目指しましょう。
スタッフの接客力・技術力の向上は、顧客満足度を高め、リピート率を向上させる重要な要素です。
定期的なトレーニングや研修、講習などを実施し、最新技術の習得を支援することで、サービス品質の維持・向上を図ります。
顧客満足を高めることにより口コミ増加にもつながりやすく、口コミからの新規集客も期待できます。
ドクターリセラが運営するエステティックスクール“Dr.Recella Academy”では、プロのエステティシャンとして必要なスキルを習得いただける講習を多数ご用意しております。
理論に基づく正確な知識と結果につながる技術の習得で、顧客満足度の向上やリピート率アップを目指しましょう。
エステ機器を導入することで、より高品質なサービスを提供でき、顧客の満足度向上につながります。
一方で、エステ機器によるトラブルが発生する事例も報告されています。
業務用エステ機器は一定の安全性が確保されていますが、誰でも気軽に使える家庭用エステ機器と比べると高出力のため使用の際には、注意が必要です。
エステ機器は、お客様の肌に直接触れるものでもありますので、安全性が高く安心して使える美容機器を選びましょう。
安全で効果を期待できる美容機器の導入することで、リピーターの確保や新規顧客の獲得が期待できるでしょう。
優秀な人材を確保・定着させるためには、働きやすい環境づくりが不可欠です。
顧客満足の向上はもちろんですが、サロン運営に欠かせない人材の満足度向上も大切。
勤務時間の柔軟化や休暇制度・研修制度の充実化、給与体系の見直しなど、具体的な施策を実施し、従業員の満足度の向上を図りましょう。
化粧品を通してサロン経営をサポートするドクターリセラでは、サロン経営を総合的にサポートする体制をご用意しています。
年間150回以上開催される知識や技術を学べる講習会や、顧問医師による肌相談サポート、経験豊富なインストラクターによる経営相談など、充実したサポート体制を整備。
各サロンに専任の営業担当者がつき、二人三脚で経営をサポートします。
ドクターリセラでは、1対1でのオンライン個別相談会も実施しています。
集客や経営に関するお悩みなどは、まずはお気軽にお問い合わせください。
こちらのコラムでは、そのほかエステティックサロンの経営相談先についてご紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。
エステ業界の市場規模は縮小傾向にありますが、一方でメンズ市場の拡大など、新たなニーズによる市場の変化が多くみられます。
市場全体の変化に伴い、特に小中規模のエステティックサロンでは人手不足、集客力の低下、価格競争の激化など、さまざまな課題に直面しています。
このような状況下でエステティックサロンが生き残るためには、新規顧客層の開拓やスタッフの技術力向上、安全性の高い機器の導入、労働環境の改善など、独自の差別化戦略が不可欠です。
また、従来の広告手法からSNSなどのデジタルマーケティングへの移行も重要なポイントとなっています。
安定した経営を実現するには、市場動向を見据えながら、自社の強みを生かした独自の魅力を確立することが求められるでしょう。
ドクターリセラならではのサポート体制や製品については、ぜひお問い合わせください。
化粧品を通してサロン経営をサポートいたします。
大林 百恵
筆者紹介
2015年からエステティシャンを勤め、これまで500名以上のお客様にカウンセリング・施術を行う。
その経験を活かし、全国のドクターリセラ導入サロンの立ち上げ支援・技術指導を担当。
約360件の取扱いサロンの運営をサポートする。
現在ではドクターリセラ直営サロンの運営アドバイザーとして活躍。