こんにちは!美と健康をサポートするリセラテラスの松本です。
健康診断の結果などで「中性脂肪」と「コレステロール」の数値が高かったり、低すぎたりすると心配になりますよね。
なんとかしたいけれど、違いがよく分からないという方も多いかもしれません。
中性脂肪とコレステロールはどちらも血液中に含まれる脂質で、構造や役割が異なります。
これらはあまり良いイメージで聞いたことがないと思いますが、実は体の重要な役割をしているのです。
今回は、中性脂肪とコレステロールの違いや役割、それぞれの数値が上がる原因や数値を下げる方法を解説していきます。
目次
中性脂肪やコレステロールは血液中に含まれる脂質です。
他にもリン脂質や脂肪酸などがあり、それぞれ血液に乗って必要な部位に届けられます。
中性脂肪は必要に応じて体を動かすエネルギー源に、コレステロールは細胞膜やホルモン、胆汁酸の材料になります。
中性脂肪もコレステロールも「あると良くないもの」というイメージが強いと思いますが、実は重要な働きがあるので体にとって必要なものなのです。
それぞれの具体的な役割を見ていきましょう。
中性脂肪は、人が生きていくためのエネルギー源として大切な役割を担っています。
通常は糖質が主なエネルギー源となりますが、糖質が不足した場合は中性脂肪が代わりの役割を果たします。
また、使われなかった中性脂肪は皮下や内臓などに貯蔵されるのですが、皮下に貯蔵されると皮下脂肪になります。
皮下脂肪は、寒さや暑さから体を守って体温を一定に保つ断熱材のような役割を持っています。
他にも、体の衝撃から守るクッション材としての役割や、臓器を所定の位置に保つ役割などもあります。
ただし、皮下脂肪が多すぎると生活習慣病などのリスクが高まるといわれています。
皮下脂肪が固まってしまうと、セルライトの原因になってしまうことも。
中性脂肪はある程度必要なものですが、多くならないように注意することも大切です。
ちなみに、中性脂肪は英語名で「トリグリセリド」「トリグリセライド」といい、外因性と内因性があります。
コレステロールは、細胞膜の一部となり、ステロイドホルモンや胆汁酸の材料になる役割を持っています。
細胞膜は、細胞を支え、栄養素などが細胞内外へ出入りするのをコントロールする働きがあります。
ステロイドホルモンは、副腎皮質、精巣や卵巣、胎盤などでコレステロールから作られ、生体機能を調節する働きがあります。
胆汁酸は、肝臓で作られる胆汁の成分です。
脂肪を水に溶けやすくすることや、消化酵素リパーゼを活性化することによって、食事から摂取した脂肪の消化や吸収を助ける働きがあります。
体内のコレステロールのうち、食事から吸収されているのは20〜30%。
70〜80%は糖や脂肪を使って肝臓などで作られています。
コレステロールには、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)と善玉コレステロール(HDLコレステロール)の2種類があります。
どちらも体にとって必要な役割を担っています。
悪玉コレステロールには、肝臓で作られたコレステロールを全身へ運ぶ働きがあります。
増えすぎると血管の壁にたまって血管の機能を低下させ、動脈硬化を引き起こす原因になってしまいます。(だから「悪玉」と呼ばれています)
善玉コレステロールには、余分なコレステロールを回収する働きがあります。
血管に溜まったコレステロールを肝臓に戻して、血管が正常に働くように作用します。(だから「善玉」と呼ばれています)
実は、血液中の中性脂肪が増えると善玉コレステロールが減少し、悪玉コレステロールを増加させることになります。
中性脂肪とコレステロールは異なる役割を持っていますが、関係が深いのです。
中性脂肪とコレステロールは、どちらも体にとって重要な働きを担っています。
しかし、血液中でのバランスが崩れると動脈硬化を引き起こしたり、さらに進行すると心臓や脳の疾患発症リスクが高まる原因になることも考えられます。
まずは、中性脂肪とコレステロールそれぞれの正常値を知りましょう。
特に中性脂肪の値が150mg/dL以上の状態は「高トリグリセリド血症」と呼ばれます。
中性脂肪の値が高ければ脳卒中や狭心症のリスクや、その他の生活習慣病に既にかかっている可能性があるようです。
逆に基準より低い29mg/dL以下だと、栄養不足や悪性腫瘍、副腎皮質の異常などが考えられます。
低ければ低いほど良いと思われがちですが、中性脂肪の値が低すぎても健康に影響を及ぼす可能性があるのです。
【悪玉(LDL)コレステロール】
【善玉(HDL)コレステロール】
悪玉コレステロールも中性脂肪と同様に、基準範囲より高すぎても低すぎても良くないとされています。
増えすぎると動脈硬化の原因となり、逆に少なすぎると脳出血の危険性を高めるといわれているためです。
善玉コレステロールが少ないと、血管に溜まったコレステロールを肝臓に戻す働きが低くなり、動脈硬化の原因となるとされています。
食生活を中心とした生活習慣が乱れると、悪玉コレステロールの数値は高くなり、善玉コレステロールの数値は低くなるという異常が生じやすいです。
それぞれの基準範囲を保たないで放置しておくと血管を傷つけたり、細くしたり硬くするなど血管をボロボロにしてしまいます。
もし健康診断で中性脂肪やコレステロールが基準範囲外だった場合は「脂質異常症」の可能性があります。
血液中の脂質の値が基準値から外れた状態を「脂質異常症」といいます。
中性脂肪、悪玉コレステロール、善玉コレステロールの血中濃度に異常がある状態のことです。
脂質異常症は自覚症状がなく放置されがちですので、健康診断で基準範囲かどうかを確認するようにしましょう。
なお、どの数値が高いか(低いか)によって脂質異常のタイプが異なります。
脂質異常症の改善には食生活の見直しが重要ですが、脂質異常のタイプによって強化すべきポイントが異なります。
療が必要な場合は主治医の指示に従い、自分に合った対策をとるようにしましょう。
中性脂肪やコレステロールの数値が基準範囲を超えてしまう原因として、遺伝的要因や生活習慣、女性ホルモンの影響などが考えられます。
生活習慣に原因がある場合は、まずは食生活を見直すことが大切です。
中性脂肪とコレステロール、それぞれに対する食生活の改善ポイントを確認しましょう。
中性脂肪が上がる主な原因は、糖質、脂質、アルコールの摂りすぎが挙げられます。
中性脂肪を減らすには糖質の摂取(主食となる米や麺、砂糖、果物)を控え、運動をするように心がけましょう。
甘いお菓子や、バターやクリームといった乳脂肪分が多いものなどの食べ過ぎにも注意してくださいね。
余分な脂質の排泄を促すために、食物繊維を多く摂るのもおすすめです。
ただし、糖質や脂質の適度な摂取は必要です。
過度に控えて不足しないように注意しましょう。
アルコールを摂取しすぎると、アルコールを分解するときに肝臓で中性脂肪が作られすぎてしまい、分解しきれない分が溜まってしまいます。
適量を楽しむ、休肝日を作るといった対策をしましょう。
コレステロールが上がる主な原因は、肉の脂や乳製品、マーガリンなどに含まれる飽和脂肪酸の摂りすぎです。
例えば健康に良いといってヨーグルトを大量に摂取すると、コレステロールが上がるので注意が必要です。
コレステロールを減らすにはこれらの摂取を控え、不飽和脂肪酸を多く含む青魚やオリーブオイル、コレステロールを下げることが期待される大豆などを積極的に摂取しましょう。
コレステロールが腸で吸収されるのを抑制するといわれている食物繊維を多く摂るのもおすすめです。
また、体を動かすことも大切です。
普段の生活の中でも、1駅分歩いたり階段を使ったりするなどの工夫をしましょう。
中性脂肪とコレステロールは悪いものと考える方が多いと思いますが、私たちが生きるために必要なものでもあるのです。
中性脂肪は体のエネルギー源となり、コレステロールは細胞膜やホルモン、胆汁酸の材料となります。
ただし、正常範囲を超えてしまうと「脂質異常症」となり、血管の機能が低下してしまうことも。
それぞれの正常範囲を知り、健康診断などで自分の数値を確認しましょう。
自分が健康でいられるために食品の摂取と運動を考え、これからも健康な生活を送れるように頑張っていきましょう!
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