こんにちは!美と健康をサポートするリセラテラスの松本です。
石けんは肌や環境に優しいと聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
石けんは天然油脂や天然油脂を元にした脂肪酸から作られる自然由来の肌や環境に優しい洗浄剤です。
今回は、そんな石けんについて、起源や成分、製法、合成洗剤との違いをご紹介します。
石けんの種類や石けんを使うメリットもご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
石けんは、天然油脂もしくは脂肪酸から作られた洗浄剤です。
天然油脂の原料には、牛脂、ココヤシ、アブラヤシ(パームヤシ)など、自然界の素材が使われています。
ドラッグストアやスーパーなどでは、石けんと合成洗剤が同じように並んでいることも多く、見分けるのは難しいかもしれません。
ところが、実は石けんと合成洗剤は、原料・製法・成分などが異なる、まったくの別物です。
石けんと合成洗剤との違いについて、起源や成分などを比較しながら見ていきましょう。
石けんと合成洗剤の起源の違いについて見ていきましょう。
石けんの起源は約1万年前といわれています。
人間が火を使いはじめ、獣肉を焼いて食べるようになった頃、獣肉から発生する油脂と木の灰が反応した土に汚れを落とす作用があることを発見しました。
これが石けんのはじまりとされています。
諸説ありますが、「ソープ(soap)」という名前は、古代ローマの「サポー(sapo)の丘」とよばれる場所で汚れを落とす土が生まれたことに由来するといわれています。
第一次世界大戦中、石けんの原料である動植物の油脂が欠乏したドイツは、石炭を原料とした合成洗剤を開発しました。
しかし、洗浄力が石けんより劣っていたため、大戦が終わると再び洗浄剤の主流は石けんとなりました。
1928年には、ドイツのベーメ社が、天然の動植物油脂由来の合成洗剤を開発。
十分な洗浄力があり洗剤としての性能に優れていたこの合成洗剤を用いて1932年に世界最初の家庭用合成洗剤が誕生しました。
その後、第二次世界大戦後に石油由来の合成洗剤が急速に普及し、主流となっていきました。
この背景には、戦後、軍事用に大量に使用されていた石油が安価になったことや、電気洗濯機の普及などがあります。
日本では1963年に、合成洗剤の使用量が石けんの使用量を上回ったといわれています。
日本で合成洗剤が本格的に使用されるようになってからはまだ歴史が浅いのです。
石けんと合成洗剤を見分けるには、成分表示をチェックしてみましょう。
石けんは「石ケン素地」「カリ石ケン素地」「純石けん分(脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム)」という成分でできています。
成分表示には、必ず「石ケン(石けん)」という文字が記載されています。
合成洗剤は化学合成で生成された「界面活性剤」を洗浄成分としており、「石油由来の成分からつくられたもの」と「天然由来の成分からつくられたもの」があります。
「石油由来の成分からつくられたもの」は「石油系合成界面活性剤」とよばれ、界面活性剤のなかでも特に高い洗浄力や浸透性、残留性を備えており、肌や体への影響が懸念されることもあります。
石けんと合成洗剤は製法も異なります。
石けんは、天然油脂や天然油脂を元にした脂肪酸を原料に、「ケン化法」もしくは「中和法」という製法で作られます。
2つの製法の違いについて詳しく見ていきましょう。
<ケン化法>
ケン化法では、良質の天然油脂(脂肪酸とグリセリンが結合している状態の油脂)をケン化釜で炊きつつ苛性ソーダを少しずつ加え、ゆっくりと反応させることで石けんを作ります。
1週間もの時間をかけて熟成させる昔ながらの製法です。
見た目、音やにおい、味や手ざわりを確認しながら五感をフルに働かせて、石けんの微妙な変化を調整していく熟練の職人技が必要となります。
ケン化法では天然油脂にある保湿成分(グリセリン)が石けんに含まれるため、保湿に優れた肌に優しい石けんが出来上がります。
天然のグリセリンはしっとりとつっぱり感のない洗い上がりが特長です。
汚れ落ちも良いので、衣類の洗濯や浴用、食器洗いにも適した高品質の石けんとなります。
<中和法>
中和法は現在の一般的な石けんの製法で、脂肪酸と苛性ソーダ(液体は苛性カリ)を反応させる方法です。
わずか4〜5時間と短時間で石けんを作ることができ、大量生産に向いています。
中和法で作られた石けんは、油脂の代わりに脂肪酸を用いるため、保湿成分(グリセリン)は含まれていません。
そこでさまざまな保湿成分などが添加されていることも多いです。
合成洗剤の製造には、大規模な製造施設が必要です。
まず石油や天然油脂などから、界面活性剤の原料となる成分を取り出します。
それに硫酸化(スルホン化)や中和などの化学合成を経て合成界面活性剤を造成します。
その後、必要に応じてビルダー(助剤)や漂白剤、増白剤などを加えることもあります。
石けんの種類はさまざまです。
そもそも洗浄剤は「体を洗うもの」と「体以外を洗うもの」に分けられます。
「体を洗うもの」については「浴用固形石けん」「手洗い用液体石けん」「洗顔・ボディ用身体洗浄剤」などの皮膚用と、シャンプーなどの頭髪用に分類されています。
一方、洗濯用洗剤や台所用などの「体以外の物を洗う」洗浄剤については、ひとくくりに「石けん(洗濯用石けんなど)」と表示されます。
体を洗う石けんには、「純石けん」「化粧石けん」「薬用石けん」などがあります。
純石けんは合成界面活性剤や添加物を含まないナチュラルな石けんで、脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウムなどの石けん分が98%以上占めるものからできているものを指します。
化粧石けんは体や顔を洗う固形状の石けんで、純石けん分が93%以上の割合のものを指します。
液状の洗浄剤は含まれません。
薬用石けんは、一定の効能をうたうことができる「医薬部外品」に該当する固形状や液状の石けんです。
石けんを使うとどんなメリットがあるのでしょうか?
石けんは肌にも環境にも優しく、洗浄力が高いので感染症の予防も期待できるなどのメリットがあります。
一つずつ見ていきましょう。
石けんは、肌に優しいという特徴があります。
特にケン化法で製造された石けんは、泡立ちが良く石けんの主原料である保湿成分(グリセリン)が残っているため、肌に優しい洗浄成分でできています。
手荒れや肌荒れが気になる方にもおすすめです。
ドクターリセラでは、肌にも環境にも優しいα Gri-X®(整肌成分)と石けん素地だけの無添加・純石けん「ピュアモイスチャーソープ」を取り扱っています。
石油系合成界面活性剤や合成香料、合成着色料、鉱物油などが無添加で、国産の天然素材を使用し職人が手作りでつくる石けんです。
肌に必要なうるおいは残しながら、皮脂汚れや古い角質をすっきり落とします。
石けんは短期間で生分解されるため、環境に優しいのもメリットの一つです。
石けんは、排水として海や川に流れたとしても、短期間で大部分が水と二酸化炭素に生分解(微生物による分解)されます。
残りの物質は石けんカスとなって環境中に流れますが、それも微生物や魚のエサとなり分解されます。
無添加の石けんは微生物などの生物の作用により分解する性質(生分解性)に優れた、環境にも人にも優しい優秀な洗浄剤です。
しかし、近年は製造に時間がかかり大量生産できないということから、無添加石けんは生活の表舞台から消えつつあります。
新型コロナウイルスなどの感染症の予防には、こまめな手洗いが有効といわれています。
手からのウイルス感染を減らすためには、アルコールや化学薬品などによる「殺菌」が有効とされていますが、手洗いによる「除菌」も非常に大切だと考えられています。
感染症対策というと「殺菌消毒」を意識している方が多いですが、一般的によく用いられる殺菌剤だけではなく、昔ながらの石けんでの手洗いでも殺菌や除菌などの感染症対策を講じることが可能です。
菌やウイルスは、「洗い流して身体から取り除く」ことが感染の機会を強力に減らすことになります。
CDC(米国疾病対策予防センター)の発表によると、ごく普通の石けんで洗うだけでウイルスの感染を抑えられるそうです。
手のすみずみまで丁寧にこすり洗いしたり爪ブラシを使ったりすれば、効果はさらに高まります。
最後に手を拭く際には、タオルの共用を避け、自分専用のタオルなどを使用するとより清潔で良いでしょう。
石けんでの手洗いは誰でも簡単にできる、基本の感染症予防です。
石けんとは、天然油脂や天然油脂を元にした脂肪酸から作られる自然由来の洗浄剤。
その起源は約1万年前と歴史が長く、天然素材を使って昔ながらの「ケン化法」という製法で作られた石けんには保湿成分(グリセリン)が残り、特に肌に優しい石けんとなります。
「中和法」で作られた石けんは大量生産しやすいというメリットがありますが、グリセリンが残らないので保湿成分が添加されることも多いです。
一方、界面活性剤を成分とする合成洗剤はまだ歴史の浅い洗浄剤です。
石けんにはさまざまな種類がありますが、肌や環境に優しいなどのメリットがあります。
また、石けんでしっかり手洗いを行い、菌やウイルスを洗い流すことで、アルコールなどを使わなくても十分に感染症を予防することも可能です。
ドクターリセラでは、職人が手作りした石けん、「ピュアモイスチャーソープ」や石けん系の液体洗剤「ステップ」をご用意していますので、ぜひチェックしてみてくださいね!
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