こんにちは!美と健康をサポートするリセラジャーナルのフード担当椿本です。
海外の有名人など、健康志向の高い人の間で話題になっている「マクロビオティック」。
言葉だけ聞くと少し取っ付きにくいような、海外から発信された何かというイメージを持つかもしれません。
しかし、マクロビオティックのベースとなっているのは日本の伝統食であり、この考え方は人間が健康的に生きるために大切なことなのです。
今回は、そんな「マクロビオティック」の言葉の意味や基本的な考え方を詳しく解説!
健康に長生きするために、ぜひ最後までお付き合いください。
目次
「マクロビオティック」とは、以下の3つの言葉から成る、古代ギリシア語を語源とした言葉です。
3つの言葉を組み合わせたマクロビオティックという言葉には、「長生きするための術(長寿法・長生法)」といった意味があります。
穀物や野菜を中心として、肉や魚などの動物性の食材は少量に抑える食事法を指します。
マクロビオティックの代表的な食事例は後ほど詳しく解説しますね。
今や欧米を中心に広まっているマクロビオティックですが、実ははじまりは日本にあるんです。
思想家である桜沢如一(さくらざわゆきかず)氏が、明治時代に医師・薬剤師として活躍した石塚左玄(いしづかさげん)氏の玄米食を主食とした食事法をもとに、東洋思想を組み合わせた「玄米菜食」を提唱したことがマクロビオティックのはじまりとされています。
桜沢氏が1928年に行った講習会が、マクロビオティック運動の始まりといわれています。
その後、マクロビオティックは久司道夫(くしみちお)氏によって体系化され、欧米を中心に広がりました。
当時のアメリカの大統領や有名人が強く支持したことで、逆輸入のような形で日本でも注目を集めるようになったのです。
一見取っ付きにくい言葉のように感じますが、本来は日本発祥で、日本人の伝統的な考え方や食生活を基本としていることもあり、日本人にとって受け入れやすい考え方なんですよ。
マクロビオティックの考え方は、以下の3つが基本となっています。
それぞれ言葉の意味やマクロビオティックとの関係性を解説していきましょう。
「身土不二」は、「身体と住む環境(土地)を切り離すことは出来ない。住んでいる土地の食べ物を食べることで、その土地に適応した身体になり、健康を保つことが出来る」という考え。
「暖かい地域では、その地域で収穫される、体の温度を下げる働きを持つ食物を摂ると良い」「長距離移動を前提とした農薬入りの食物は体に良くない」などと言い換えると分かりやすいでしょう。
「マクロビオティック」では、身体と土地は一つであるという考えから、その地域で育った食材を選ぶことが健康になる秘訣だと考えられています。
今はハウス栽培や輸入の発達で、季節や地域に縛られず年中同じ野菜や果物が手に入りますが、できる限り住む地域で育ったものを、旬の時期に食べるのが望ましいということです。
「一物全体(いちぶつぜんたい)」
「食材には捨てて良い部分などなく、全て食べることが大切」という考えです。
例えば、大根を食べる際には根の部分が調理の中心になりがちですが、それ以外の葉や茎、皮までいただくという考え方です。
米なら精米する前の玄米、小麦粉なら全粒粉、砂糖は白砂糖ではなく黒砂糖、魚なら内蔵や骨までも全て余すことなく調理していただくことで、バランスの取れたエネルギーを自分の体に生かすことになると考えられています。
全体を食べるので、自然のままの無農薬・無化学肥料の食材を選ぶことが重要視されています。
また、皮や骨まで食べることが難しい大型の魚や肉は禁止ではありませんが、控えめにすることが推奨されています。
「宇宙の全ては「陰」か「陽」のエネルギーを持っており、それをバランス良く調和することが重要」という考えです。
食べ物で考えると、「陰」は冷たいもの・水分の多いもの・体を冷やす効果のある食材、「陽」は温かいもの・水分の少ないもの・体を温める効果のある食材を指します。
また、調理法でも火を少なく使用する、時間をかけない、油や水を多く使う、野菜は小さめに切るなどが「陰」、その反対が「陽」とされています。
体が熱くなりがちな夏には陰を中心とした食生活、体が冷えがちな冬には陽を中心とした食生活をし、陰陽のバランスを整える(調和する)ことが大切だという考えです。
「マクロビオティック」では、この「身土不二」「一物全体」「陰陽調和」を大切にすることが重要と考えられています。
そのため、自然のままにその土地で育った食材を食べ、バランス(調和)を取って生活することこそが健康に生きるために大切なことだと思われているのです。
具体的には、以下の例を参考にした食事を心がけると良いとされています。
この食事法は、人間の歯の構造にも合わせたものだとされています。
人間の歯は穀物をすりつぶす役割のある臼歯が最も多い20本、野菜や果実を切る門歯が8本、肉や魚を噛み切るための犬歯が4本という構造です。
そのため、穀物を中心に野菜を摂り、肉や魚を少量食べることが人間にとって適した食事法ともいえるのです。
また、日本の伝統的な和食のように「一汁三菜」を目安にバランスの取れた食事をすることが良いと考えられています。
とくに、白米ではなく自然のままの玄米を食べることを推進していて、玄米には食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富に含まれているので美と健康のためにもおすすめですよ。
マクロビオティックは、体を自然に近い状態で保てるだけでなく、健康的なダイエットにもつながります。
質の良い睡眠ができる、血行がよくなる、肌がきれいになる、頭が冴えるなどの効果にも期待できますよ。
体や精神面に不調が出てきたら、少しの間だけでもマクロビオティックを意識した食生活を試してみるのがおすすめです。
また、マクロビオティックの考え方では、食事の内容だけでなく以下も心がけると望ましいとされています。
これらの生活習慣と上で紹介した食生活を心がけることで、体も心も健康な状態を保てるようになります。
「長生きするための術」を意味し、穀物や野菜を中心として肉や魚などの動物性の食材は少量に抑える食事法を指す「マクロビオティック」。
欧米の大統領や有名人などが支持し、世界中で話題になっています。
そんなマクロビオティックは、実は日本発祥の考え方。
日本の伝統食がもととなっていることもあり、日本人にとって取り入れやすい考え方なんですよ。
マクロビオティックの食事法は、「身土不二」「一物全体」「陰陽調和」を意識することが重要です。
例えばお米は玄米に、野菜はその土地で収穫された旬のものを使用するのが良いとされています。
使う食材の他にも、「一汁三菜」を目安にバランスの良い食事をすることも大切です。
できるところから取り入れ、健康な体を目指しましょう!
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