こんにちは!美と健康をサポートするリセラテラスの松本です。
「化粧療法(メイクセラピー)」という言葉を聞いたことはありますか?
化粧療法とは、化粧をすることでQOLの維持・向上や認知症予防効果が期待できる療法です。
今回は、そんな化粧療法について詳しく解説!
化粧(メイク)によってもたらされる効果や周りへの影響、具体的な療法をご紹介します。
目次
化粧療法とは、化粧という行為を通して、QOL(クオリティ・オブ・ライフ/生活の質)を維持・向上させたり、生き生きとした生活をめざす療法のことです。
化粧(メイク)を用いることから、「メイクセラピー」や「コスメティックセラピー」などともよばれています。
主に、介護支援施設や地域の高齢者支援活動において取り入れられるほか、病気やケガ、湿疹などにより肌にトラブルを抱えている方などに行われています。
人がいつまでも若々しく長生きするためには、生活の中で自信や満足度を得ることが重要です。
スキンケアやメイクなどを施せば自然と表情も明るくなり、気持ちもポジティブになってくるでしょう。
結果的に心身の健康や長生きにつながるのです。
また、化粧療法は女性のためだけの療法ではありません。
スキンケアや顔のマッサージ、ハンドケアなどを行うことで、男性へもプラスの効果が期待できますよ。
化粧療法は健康状態や年齢を問わないため、どなたでもどこでも取り入れることができます。
一般的には介護施設で高齢者を対象にプログラムが用意されているケースが多いですが、近年は医療機関や形成外科・皮膚科での活躍も期待されています。
医療機関で行われる化粧療法は、心理療法の一環として認知症の人や精神疾患がある人、がん患者などを対象として行われています。
病気が原因で落ち込みがちになってしまった心に活力を与える役割を果たします。
形成外科や皮膚科などでは、病気による皮膚の変色やあざ、ケガによる傷跡や火傷、加齢によるシミやそばかすなどを化粧療法でカバーします。
肌トラブルを目立たなくすることでストレスやコンプレックスを軽減し、明るく生活できるように後押しします。
化粧療法(メイクセラピー)を行うと、気持ちが前向きになる、顔色が良くなるなど、目に見えて効果を感じられるという方も多いです。
化粧療法による身体・心・脳・口腔への効果をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
化粧療法は家族や介護士などによってメイクなどを施すケースもありますが、本来は人の手を借りずに自分で行うものです。
化粧水や保湿剤を顔に塗る、口紅やファンデーションを顔に乗せるなどの動作は、実はかなりの運動量があることが実証されています。
化粧を行うことで、筋肉を付けたり筋力を維持したりするなど肉体的な効果も期待できます。
筋力が向上することにより、今まではサポートを受けていた日常的な動作が行えるようになるなど、生活にポジティブな影響を与えます。
化粧を行うことで、心も前向きになる傾向があります。
「化粧をすると気分が上がる」「好きなメイクをしていると自然と自信が持てる」なんて経験がある女性も多いのではないでしょうか。
化粧療法は、こうした化粧による気分の変化を応用し、心を健康にする効果が期待できるのです。
化粧品やスキンケア用品を選ぶ、使い方を考える、実際に使うなどの行為は、すべて脳への刺激につながります。
さらに、メイクの仕上がりを鏡で見ることで自信がつき、「外にでかけたい」「人に会いたい」などポジティブな感情が生まれます。
化粧療法による脳への刺激は、認知症の症状軽減も期待されているんですよ。
メイクをすると唾液分泌量が上がり、さらには、嚥下(えんげ)機能が向上するという結果が出ている研究もあります。
特に高齢者の場合、人との接触が少なくなることで会話量が減り、口周りの筋肉が衰えてしまうことも。
スキンケアや化粧を通して口周りを触ることで筋肉がほぐれ、適切な口腔ケアにつなげることができると考えられています。
化粧療法は、唾液分泌量の低下によるさまざまな障害を予防する効果が期待できるのです。
化粧療法を取り入れて日常的に化粧を行うことは、本人だけではなく周りにも良い影響があることがわかっています。
例えば、化粧をして明るくなり笑顔が増えると、周りの人とのかかわりや会話が増え、コミュニケーションが活発になります。
また、化粧をしている人と関わることで今まで化粧をしていなかった人も化粧をするようになることも少なくありません。
化粧は本人だけではなく、周りも明るくさせてくれます。
化粧療法(メイクセラピー)は、介護施設や医療機関で行われると解説しましたが、もちろん自宅でも簡単に実践できます。
年齢によるコンプレックスや病気が原因でふさぎ込んでしまっている…という方が近くにいる場合は、実践してみてはいかがでしょうか。
ただし、無理やり行うのは絶対にNG。
かえって対象者を傷つけてしまうリスクもあります。
また、人によってはメイクのハードルが高く、嫌がってしまう方も珍しくありません。
まずは簡単な顔のマッサージやスキンケアなど、徐々にお顔に触れたり、自分の顔に興味を持つところから始めてみましょう。
髪型をいつもと少しだけ変える、明るい服の色を着てみるなどでも効果を実感できるケースもありますよ。
昨今、とくに介護の現場を中心に注目を集めている「化粧療法」。
メイクを施すことによって心身の健康を目指す療法のことで、メイクセラピーやコスメティックセラピーともよばれています。
医療現場や形成外科などでも活用されているんですよ。
化粧療法は、筋力の向上や心の健康、脳への刺激など、身体・心・脳・口腔へさまざまな効果をもたらします。
対象者本人だけでなく、周りにも良い影響を与えるケースもあります。
化粧療法は介護施設や医療機関で行われると解説しましたが、もちろん自宅でも簡単に実践できます!
まずは顔のマッサージやスキンケアなど、簡単なことから始めてみるのがおすすめです。
筆者紹介