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  • 中野 裕弓

赤い帽子の会 Red Hat Club

ロンドンに住む私の長年の友人から面白い話を聞きました。

ある時、彼女がロンドンでカフェに入ると、その一角で賑やかに談笑する女性たち。
なんと6、7人の女性たちはみんな赤い帽子をかぶっているなんとも不思議な、でも楽しそうな光景だったそうです。

彼女たちの楽しそうな姿に興味を持った友人はどういう集まりなのか聞いてみたら、

彼女たちは「レッド・ハット・クラブ」のメンバーだということでした。

どうりで大きさや形は違うけれどそれぞれが赤い帽子をかぶっていたわけです。
年代は50歳プラスの女性たち。

それでその「レッド・ハット・クラブ」とは?

子育ても終わり、あるいは会社勤めを終え、人生に一段落をした50歳以上の女性たちが毎月集まってメンバーの1人が推している活動をみんなで楽しむというもの、でした。

家庭を持っていると、今までは家族のためにずいぶん時間がとられていたけれど、

やっとここで私が”私時間”を楽しめるようになったの」という人も。

例えば、
あるときはグリーンが大好きな人とともに植物園に行き説明を聞く。
(たまたまそのカフェの女性たちはロンドンにあるキューガーデン王立植物園で半日過ごしてきた後だということでした。)

映画が好きな人イチオシの映画をみんなで一緒に観に行く鑑賞会を催してもいいし、町歩き散策なんていうのも楽しいかも。

あるときは読書の好きな友人のもと読書会をして、みんなで読んだ同じ本の感想を話し合う、

あるときは料理が得意な人と一緒に街のマルシェで買い物をして、みんなで食事を作る…。

またあるときはゴルフの打ちっぱなしを体験する、陶芸など創作活動をしたり、まるで学校の文化祭のようですね。

いろいろな活動をカルチャーセンターなどに習いに行くのもいいけれど、それでは一方的に教えてもらう感じですが、

ここでは一人一人が楽しんでいることみんなでシェアし、一緒に楽しむ。
とても良いアイディアだと思いました。

アウトドアアクティビティもあったり、展覧会見学などインドアもあったり、毎月メニューは違うのです。

それだけ聞いていても、1年間にいくつもの面白い体験ができる「レッド・ハット・クラブ」

仲間の好きなことを一緒にちょこっと体験してみる、相乗りしてみることで友達との絆も深まることでしょう。

若い時には興味のなかったこと、時間がなかったこと、お金もなかったこと、そういうことに今少しずつ活動を広げる。
そういうチャンスが来る、それが50プラスではないかと思います。

「レッド・ハット・クラブ」の考え方、日本の50歳以上、50プラス(フィフティプラス)の女性たちに新しい習慣として根付いたら楽しいですね。

あらら、赤い帽子は目立ちすぎる?
ではブルー・スカーフ・クラブでも…笑。

カフェでお茶を飲んでゆんたく(おしゃべり)するのも楽しいけれど、それに活動が加わると、一気に新しい趣味ができたり、あるいは自分の知らなかった部分に気づいたり…。

自分の時間の使い方、ほんとに自由に時間を使うことを自分にプレゼントする、大切なことですね。

2024.2.27
Romi

SNSSHARE

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COLUMNIST
中野 裕弓
人事コンサルタント
ソーシャルファシリテーター
中野 裕弓
HIROMI NAKANO
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19歳で語学研修のためロンドンに渡り、その後9年に及ぶ英国生活を経て、
東京の外資系銀行、金融機関にて人事、研修などに携わる。

1993年、ワシントンD.Cにある世界銀行本部から、日本人初の人事マネージャー、人事カウンセラーとしてヘッドハントされ世界中から集まったスタッフのキャリアや対人関係のアドバイスに当たる。

現在は一人ひとりの幸福度を上げるソーシャルリース(社会をつなぐ環)という構想のもと、企業人事コンサルティング、カウンセリング、講演、執筆に従事。 また2001年に世界銀行の元同僚から受けとったメッセージを訳して発信したものが、後に「世界がもしも100人の村だったら」の元となったため、原本の訳者としても知られる。

「自分を愛する習慣」をはじめ、幸せに生きるためのアドバイスブックや自分磨きの極意集、コミュニケーションスキルアップの本など著書多数。

2014年の夏、多忙なスケジュールの中、脳卒中で倒れ5ヶ月の入院生活を経験する。
現在はリハビリ療養の中で新しいライフスタイルを模索中。脳卒中で倒れたことが人生をますます豊かで幸せなものにしてくれたと語る。

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