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  • 中野 裕弓

転職の時期

先日開かれたトークライブでこんな質問をいただきました。

「今の仕事は面白いわけではないけれど、だからといって転職するのも怖いと思っている。

でも、このまま現職にとどまっても楽しく仕事ができるような環境にはならないと思う。そういう場合、無理にでも転職した方が良いのでしょうか?

よくあるご質問です。

日本では新卒採用が主流という時代から中途採用が広まりキャリア半ばで転職する人も多くなりました。

だからこそ迷うのです。このままでいいのか?あるいは思い切って新しい場所を探したほうがいいのか?

転職を考えている場合、会社探しよりも大事なのは、自分の“気を充実させること”だと私は思います。

以前、外資系の金融会社で働いていた時、ヘッドハンターが暗躍し始めていました。仕事中も、外部からヘッドハンターと思われる電話が入り、社員とアポをとっていました。(まだ携帯電話がなかった頃です。笑)

30代の男性のディーラーが人事課に有給休暇が何日残っているかを聞きに来ました。

私はヘッドハンターからのお誘いに心が揺れているなとすぐぴんときました。

それで有給休暇の日数をお知らせした後「〇〇さん、今は時期じゃないと思うわ〜」と言うと、彼は憮然とした顔して

「中野さん何を言うんですか、休暇を取ろうと思っただけですよ」と切り返しました。

数ヶ月後、廊下でその方に会ったとき「〇〇さん、今の話はいい感じ」と小さな声で囁きました。

彼は真顔になって「なんでわかるんですか」

「それはね、数ヶ月前のあなたは気が充実していなかった、そして、現職に対する不満がにじみ出ていたわ。そういう時に新しい職場に行っても、花が咲くチャンスは少ないと思ったの。でも今日のあなたは何か吹っ切れたのか気が充実していてとてもいい感じ。これならどんなお誘いに乗ってもそこで花を開かせることができるのでは…」

彼は言いました。
「前回の転職のオファーの方が格段に条件は良かった、でも今言われてわかった。この会社に転職してみようと思う」と。

彼はめでたく転職に成功し、次々とキャリアアップしていきました。

そうなんです。

何をするにも現状に不満があってそこから逃れたいと躍起になっているとエネルギーが散漫になり、運気も上がりません。

気が充実していなければ持っている実力を十分に発揮することも難しいと思います。

現状に不満で文句ばかり言うのではなくて、そこから何かを学ぶ姿勢に切り替わった時、気も充実してくるのです。

不満と文句いっぱいでは新しいところにまで不満の種を持っていってしまいます。

だからそんな時は少し待って、今の職場の良いところを見つけて、感謝の気持ちで働いてみることをおすすめします。

その後の人生がガラッと変わってくると思いますよ。

今に不満を持ったまま転職しようとしている方、ちょっと待ってくださーい。

今の仕事に就いてから良かったことリストを書き出してみてください。

不満のリストよりも良かったリストがちょっとだけ長くなった時、それがあなたにとって好気です。

あなたは気持ちよく今のところを卒業して次に行けますよ。

そういえば、採用面接をしていた時、中途採用の方で、今の職場が自分を評価していない等々述べた方がいました。

彼の言う通りだったとしても不満の色を持ったまま会社にこられても困るので、丁重にお断りしたことがありました。

実は、これは転職だけじゃなくて、今の状況から新しい状況に移るときに使える方法なんです。

例えば、離婚を考えている方。

今のお相手が嫌で嫌でしょうがない時、彼と別れる理由のリストはたくさん書けるでしょう。

でも、その思いを持ってお別れしたのでは、これから始まる人生がネガティブなスタートになってしまいます。

彼と結婚したことで良かったこともあるはずです。そのリストを作りましょうよ。

子どもさんを授かったかもしれないし、新しい土地で住む経験ができたかもしれないし、いろいろ苦しんだからこそ、心の世界に目が向いたのかもしれないし…

感謝の気持ちがいっぱいになった時、あなたの未来に祝福の鐘が鳴ります。

そうすれば、爽やかな気持ちで
今までにサンキュー&グッドバイと気持ちよく卒業していくことができます。

転職の場合は、「花束をもらって惜しまれて、さようなら」が合言葉です。

Good Luck❣️

2023.10.19
Romi

SNSSHARE

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COLUMNIST
中野 裕弓
人事コンサルタント
ソーシャルファシリテーター
中野 裕弓
HIROMI NAKANO
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19歳で語学研修のためロンドンに渡り、その後9年に及ぶ英国生活を経て、
東京の外資系銀行、金融機関にて人事、研修などに携わる。

1993年、ワシントンD.Cにある世界銀行本部から、日本人初の人事マネージャー、人事カウンセラーとしてヘッドハントされ世界中から集まったスタッフのキャリアや対人関係のアドバイスに当たる。

現在は一人ひとりの幸福度を上げるソーシャルリース(社会をつなぐ環)という構想のもと、企業人事コンサルティング、カウンセリング、講演、執筆に従事。 また2001年に世界銀行の元同僚から受けとったメッセージを訳して発信したものが、後に「世界がもしも100人の村だったら」の元となったため、原本の訳者としても知られる。

「自分を愛する習慣」をはじめ、幸せに生きるためのアドバイスブックや自分磨きの極意集、コミュニケーションスキルアップの本など著書多数。

2014年の夏、多忙なスケジュールの中、脳卒中で倒れ5ヶ月の入院生活を経験する。
現在はリハビリ療養の中で新しいライフスタイルを模索中。脳卒中で倒れたことが人生をますます豊かで幸せなものにしてくれたと語る。

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