Language

メニューを閉じる
  • 中野 裕弓

もう、心にもないことは言わない

幸せになるために…

以前、「幸せになるために捨てるもの」というテーマの本を書きました。
その中には84の項目があり、様々なことを書きましたが、今日はその中から1つ、「社交辞令はいらない」について書いてみましょう。

例えば…

手土産を人に渡すとき「つまらないものですけれど…」
といって渡すシーンをよく見かけます。(最近の若い人はその限りではありませんが)

つまらないもの?
いえいえ、心ではそう思ってもいないのに、いわゆる大人の分別、世間の常識、謙虚に、いや社交辞令でそういう言葉を言ってしまうのです。

「つまらないものですけれど」なんて言葉を添えて渡されたら、プレゼントもかわいそう。

本当は渡す相手のために心を配って選んだはずです。だから「〇〇さんに気に入ってもらえるかなと思って選んできました」と素直に言ったほうが断然スマートです。
渡されたほうも嬉しさが増します。

コミュニケーションを円滑にするために使っている「お世辞や社交辞令」は私はもう必要ないと考えています。

素直に直球で気持ちを伝えましょう。そのほうがあなたの真心は伝わりやすいです。

他人の思惑を気にしたり、自分の固執する“大人の分別”で、体面を気にして、思ってもいないことを口に出す習慣にとらわれていると、あなたは幸せからも遠ざかってしまいます。

また…
大人は社交辞令を使って当然だからと美辞麗句を言ったり、相手の関心を引きたいからと歯が浮くようなお世辞を使う必要もありません。

思ったことを素直にそのまま言葉に乗せる、それがあなたの周りに幸せを引き寄せる秘訣です。

これには日ごろの練習も必要かもしれませんね。

ある女性からこんな話を聞いたことがありました。

高校生の娘が部活で遅くなったので、電話をもらって最寄りの駅に車で迎えに行きました。

駅に着くと娘の友達も一緒でした。
その友達は「じゃあまた明日。私はバスで帰るから」と娘に言ってバス停に向かって歩こうとしました。

「バスで帰ります」と聞いて、その女性は「あら、もう遅いからこの車に乗って行けば? 送るわよ」と“社交辞令”で送りをオファーしました。

娘の友達は素直に「ありがとうございます」と乗り込んできて、彼女の家まで送ってあげました。ちょっと迷ってずいぶん遠回りをしてしまったようですが。

それで済めばとても親切なお母さんのお迎えストーリーです。

ところが…

後日、そのお母さんは愚痴を言うのです。

「あの子は図々しいわ。普通なら自分の親に迎えを頼むべきでしょ。」なんて怒っているんです。
「社交辞令で言ったのに乗り込んできて送っていってあげたら遠回りになって家に帰ったらもう疲れちゃった」と愚痴は止まりません。

おまけに
「親のしつけもなってない」と文句は周りにまで広がります。

ここで問題なのは、娘さんの友達やその親ではなく実は本当はそう思っていないのに「乗って行けば」と誘ったこのお母さんの方なのですが。

友達は「バスで帰ります」と言ったのです。「気をつけてね」と言うこともできたし、あるいは「今日は急いでいるから送ってあげられないの、ごめんね」とストレートに言えば、後に彼女に憤りを感じることもなく、穏やかな気持ちでいられたはずです。

娘にそれを言ったら 一言。
「ママ、送ってあげるつもりがなかったら 送るわ、なんて言わなかったらよかったのに。だって彼女は最初からバスで帰るつもりだったのよ」

「だってもう夜も遅かったし、何かあったらなんであの時、車で送ってあげなかったって他人に言われるの嫌じゃない。」
あらら、親切心ではなくて、他人の目を気にしてたってことかしら。

いい大人のふりをして、心にもない事は口に出さないこと、大事です。

“もう、心にもないことは言わない”

しあわせに穏やかな日常を過ごすのに大切な心がけです。

2023.9.29
Romi

SNSSHARE

この記事をシェアする

COLUMNIST
中野 裕弓
人事コンサルタント
ソーシャルファシリテーター
中野 裕弓
HIROMI NAKANO
続きを見る

19歳で語学研修のためロンドンに渡り、その後9年に及ぶ英国生活を経て、
東京の外資系銀行、金融機関にて人事、研修などに携わる。

1993年、ワシントンD.Cにある世界銀行本部から、日本人初の人事マネージャー、人事カウンセラーとしてヘッドハントされ世界中から集まったスタッフのキャリアや対人関係のアドバイスに当たる。

現在は一人ひとりの幸福度を上げるソーシャルリース(社会をつなぐ環)という構想のもと、企業人事コンサルティング、カウンセリング、講演、執筆に従事。 また2001年に世界銀行の元同僚から受けとったメッセージを訳して発信したものが、後に「世界がもしも100人の村だったら」の元となったため、原本の訳者としても知られる。

「自分を愛する習慣」をはじめ、幸せに生きるためのアドバイスブックや自分磨きの極意集、コミュニケーションスキルアップの本など著書多数。

2014年の夏、多忙なスケジュールの中、脳卒中で倒れ5ヶ月の入院生活を経験する。
現在はリハビリ療養の中で新しいライフスタイルを模索中。脳卒中で倒れたことが人生をますます豊かで幸せなものにしてくれたと語る。

他のコラムニストを探す
中野 裕弓の記事
中野 裕弓の記事一覧へ
美と健康の最先端はリセラテラスから メールマガジン登録
美と健康の最先端はリセラテラスから メールマガジン登録
肌改善 リフティング認定