Language

メニューを閉じる
  • 中野 裕弓

リトリートの不思議

奥迫協子さん、山本時嗣さんと3人で1ヵ月に2回YouTubeで配信している番組「みここロミっと」
もう20回を超えました。

皆さん、もう見てくださったでしょうか。(アーカイブスもあります)

毎回、3人がその場で旬の話題や、今伝えたいことをシナリオなしでぶっつけ本番でお話しさせていただいています。

先日、リアルタイムの番組の中で、なぜか話題は「3人でリトリートをやってみたいね」ということになりました。

すぐにその場でスケジュール帳を出してきて日にちまで決めてしまいました!!

2023.11月17日〜19日
2泊3日

番組中は日にちだけが決まりました。

最近よく聞く“リトリート”という言葉。説明文を探してみました。

〜引用〜
“リトリート”の語源はリトリートメント(retreatment)
本来は避難所隠れ家の意味を持っていたが、近年欧米では「日常生活から離れてリフレッシュする時間をもち、心身ともにリセットする」といった意味で使われていて、日本では『転地療法(療養)』とも言い換えられる。
〜引用終わり〜

私が在籍していた世界銀行本部でも、部門ごとにオフィスを離れたオフサイトミーティング(社内の会議室を出て職場を離れた場所や環境で行うミーティングのこと)も盛んで、
そして場所を郊外のホテルに移して宿泊リトリートをよくやっていました。

いつもと変わらぬ職場のメンバーであっても、場所や景色が違う、特に自然の環境に身を置くことによって気分が変わります。

対人関係も緊張が緩んでスムーズになってきます。お互いの間の心の化学反応も活発になります。

いつものガチガチの思い込みが外れ、お互いの心が近づいたり、打ち解けたり、相手に対する理解が深まったりするものです。

そしていつもと違う環境で楽しい思いをした後、平常のオフィスに戻ると、何かが違うということに気づきます。

オフィス中も違って見えますが、何といっても自分自身がリフレッシュしていつもと違う自分が出てくるのを感じます。

もう十分知っていると思っていた「自分自身」なのに、あら、こんな自分もいたんだ!と気がつくから不思議です。

私の人生上、最初にリトリートのコンセプトを知ったのはロンドンでした。今から40年近く前です。

その頃、ロンドンでバリバリ働く行動派の女性たちに人気だったのが
Health Farm ヘルスファームというものでした。

忙しい日常を離れて、郊外にあるマナーハウス、元貴族の館だったような大きな館で最低1週間を優雅に過ごす特別なプログラムでした。
費用はちょっとした海外旅行に行くくらいの大金だったのも思い出します。

そこでは、心身ともにリフレッシュして自分と向き合う時間がふんだんにあります。

昔の貴族の生活を垣間見るような素晴らしい調度品、建物の中でまるでプリンセスのような1週間。

忙しさに紛れていた自分を取り戻し、自分を大切に扱うことの心地よさを思い出せる1週間。

プログラムは一人ひとり違います。
オリエンテーションで専門家のアドバイスも入れながら自分にぴったりな暮らし方を組み立てていくのです。

ただただ、自然の中でぼーっとするもよし、ヨガや体のトレーニング、野山を歩く、乗馬、読書、山登り、いろいろあります。

もちろん、に関しても栄養アドバイスありの豪華な食事。他に心理相談、カウンセリングなども。

当時、日本ではOLで仕事の休みがあったら、海外旅行したり、買い物、温泉やスポーツ、観光などで楽しい思いをして外からの刺激でリフレッシュするしかイメージできませんでした。

ヘルスファームでの1週間で、いつもの時間に追われる生活を見直し、対極から自分の人生を大きく見て自分の人生の舵取りを意識します。

自分を大切にするとはこういうことかと感心したのを思い出しました。

外に刺激を求めるのではなく、自分に立ち戻り、素の自分、本当の自分を見つけるという体験。

忙しい人にとって羨ましい素敵な時間の使い方でした。

さて「みここロミっと」リトリート、その後、リトリートの場所は石垣島に決まりました。

2023.11月17日〜19日
2泊3日
石垣島にて開催

その場で出会う人々、様々な人生を経てきた方たち、いつもと違う環境で、自分の思い癖やひとりよがりの考え方を緩めているうちに、何かが動き出すのを感じることでしょう。

自分が今まで知っていると思っていた自分って氷山の一角でしかなかった…。

新しい自分を発見するまさに冒険の旅

そして3日間共に過ごすことになった(偶然ではない)仲間たちの話を聞くことによって「何でもあり」という人生観ができあがると思います。

何かを学ぶ、習得する、ではなくて、自分の中に埋もれていた光を探す、自分の中の宝物発掘
リトリートはそんな場です。

2023.9.11
Romi

SNSSHARE

この記事をシェアする

COLUMNIST
中野 裕弓
人事コンサルタント
ソーシャルファシリテーター
中野 裕弓
HIROMI NAKANO
続きを見る

19歳で語学研修のためロンドンに渡り、その後9年に及ぶ英国生活を経て、
東京の外資系銀行、金融機関にて人事、研修などに携わる。

1993年、ワシントンD.Cにある世界銀行本部から、日本人初の人事マネージャー、人事カウンセラーとしてヘッドハントされ世界中から集まったスタッフのキャリアや対人関係のアドバイスに当たる。

現在は一人ひとりの幸福度を上げるソーシャルリース(社会をつなぐ環)という構想のもと、企業人事コンサルティング、カウンセリング、講演、執筆に従事。 また2001年に世界銀行の元同僚から受けとったメッセージを訳して発信したものが、後に「世界がもしも100人の村だったら」の元となったため、原本の訳者としても知られる。

「自分を愛する習慣」をはじめ、幸せに生きるためのアドバイスブックや自分磨きの極意集、コミュニケーションスキルアップの本など著書多数。

2014年の夏、多忙なスケジュールの中、脳卒中で倒れ5ヶ月の入院生活を経験する。
現在はリハビリ療養の中で新しいライフスタイルを模索中。脳卒中で倒れたことが人生をますます豊かで幸せなものにしてくれたと語る。

他のコラムニストを探す
中野 裕弓の記事
中野 裕弓の記事一覧へ
肌改善 リフティング認定