Language

メニューを閉じる
  • 中野 裕弓

お空の郵便配達人

因果応報(いんがおうほう)
人生の折々でよく聞く言葉ですね。

これは「過去の善悪の行為が原因となり、その報いとして善悪の結果が返ってくること」仏教の考え方としてよく知られています。

大切なものを無くしてしまった、
転んで怪我をした、
宝くじに当選した、
思わぬ幸運が舞い込んだ、等々
私たちには日々予期しないことが起こります。

そのたびに一喜一憂。
因果応報という考え方も頭をよぎります。

過去に何かよくないことをしたことが原因で、今の私にこんな災難が降りかかるんだわ、とか、
過去によっぽどいいことをしていたから、今の私がその恩恵を受けているのね、
など過去と今を結びつけて、これが人生というもの、と諦めたり、納得したり。

過去と言っても今世とは限りません。もしかしたら生まれ変わりのもっともっと前の時に、善行を積んだ人がいたとか、

あるいは周りに迷惑をかけてばかりの生き方をしたとか、今の私にはどうしようもないことが起こっていたのかもしれませんね。

良い事が次々起こるのは大歓迎ですが、(今の自分に)身に覚えがない嫌なことが起きてくると気持ちが沈んでしまいます。

そんな時、
お空の郵便配達人」という楽しい考え方はいかがでしょう。

一日の終わりにその日はどんな感情の一日だったかをハガキに書いてお空の郵便ポストに毎日投函している、と想像してみてください。

今日は本当に楽しい一日だったぁと思った人は嬉しいとかありがとうとか楽しかったとか、まるでそれはピンク色のハガキを投函するようなものです。

かたや
今日はついてなかった、あの人のせいでドジふんじゃった、人を怒らせてしまった、今日は嫌な一日だったという人が書いたハガキは真っ黒。

お空の郵便ポストは回収したハガキを大切に保管して、差出人に間違いなく届けてくれます。でもいつになるかは不定です。

ハガキを書いた人が転生して次の人生を歩んでいる場合にも間違いなくそこに届けてくれます。間違って他の人に配達してしまうなんて事は絶対にありません💦

宇宙の郵便局の決まりはひとつ。
遅配はあるけど誤配は無い
なんです。

だから三代前の人生で投函した黒ハガキが、現代の、今日の私に届くことだってあるわけです。

あるいは以前の人生での感謝の思いが詰まったピンク色のハガキが今日突然届くのかもしれません。

‘あなた’が書いたそのハガキ、
すぐに届く場合もあれば、ずいぶん昔のものが忘れた頃に届く時だってあるでしょう。それを毎日受け取っているのが今の私たちなんです。

「でしょ?
だからきっと昔に黒ハガキばっかり出してたのよ。もうしょうがないわ。ついてないこの人生甘んじて受けなければ…」

良い心がけです。

でも、思い出してください、
私たちは人生を楽しむために生まれてきたこと。それなのになんで苦しむことを選ぶのかしら。

毎日配達されてくる空からのハガキが何色だろうが大丈夫。
こんなミラクルな受け取り方があるのです。

配達された黒ハガキも、
あなたが手を伸ばしてつかんだ途端、それはあっという間にピンク色に変わるというミラクル。

「すごい!
どうしたらそんな裏技が使えるように?」

それは今にフォーカスすること。
過去でも未来でもなく、今、この時。

そのためには
Feel Good(ごきげん気分)で毎日過ごすこと。ただそれだけです。
すると黒ハガキも受け取った途端、ピンクに変える力がみなぎってくるのです。
もう自分の人生を他人のせいにするとか、過去のせいにする必要は全くないのです。

今が大事なんです。
今日を明るい心で楽しもうという姿勢さえあれば、どんなことがやって来ても物事を明るくとらえて軽やかに歩いていくことができる、それが今の私たちに可能なことなのだと思います。

過去に蒔いた種を今刈り取る、
それは同じです。

だけど、過去の出来事はなんであれ、全て今の私をより成長させより輝かせてくれるそういうものだったのですね。

さあ、今日はどんなハガキが届くのか…。

もう怖くありません。
ハガキが何色だろうが余裕でにこっり笑って受け取ると、今日の幸せな一日が始まるのですから。

因果応報を新しい解釈で楽しんでいきませんか?

2023.5.1
Romi

SNSSHARE

この記事をシェアする

COLUMNIST
中野 裕弓
人事コンサルタント
ソーシャルファシリテーター
中野 裕弓
HIROMI NAKANO
続きを見る

19歳で語学研修のためロンドンに渡り、その後9年に及ぶ英国生活を経て、
東京の外資系銀行、金融機関にて人事、研修などに携わる。

1993年、ワシントンD.Cにある世界銀行本部から、日本人初の人事マネージャー、人事カウンセラーとしてヘッドハントされ世界中から集まったスタッフのキャリアや対人関係のアドバイスに当たる。

現在は一人ひとりの幸福度を上げるソーシャルリース(社会をつなぐ環)という構想のもと、企業人事コンサルティング、カウンセリング、講演、執筆に従事。 また2001年に世界銀行の元同僚から受けとったメッセージを訳して発信したものが、後に「世界がもしも100人の村だったら」の元となったため、原本の訳者としても知られる。

「自分を愛する習慣」をはじめ、幸せに生きるためのアドバイスブックや自分磨きの極意集、コミュニケーションスキルアップの本など著書多数。

2014年の夏、多忙なスケジュールの中、脳卒中で倒れ5ヶ月の入院生活を経験する。
現在はリハビリ療養の中で新しいライフスタイルを模索中。脳卒中で倒れたことが人生をますます豊かで幸せなものにしてくれたと語る。

他のコラムニストを探す
中野 裕弓の記事
中野 裕弓の記事一覧へ