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  • 中野 裕弓

人生100年時代

人生100年時代

いつの頃からかそういわれるようになりましたね。
少し前まで考えられなかったこと。

私たちはこれまで3つの区分を生きてきました。
子どもとして成長し学ぶ時代
大人になって仕事に就く時代
そして現役退いてリタイヤの人生
ついこの間まで定年といえば55歳、60歳だったというのに、今ではそれ以降の長い生活が待っています。

それにつれて働き方も様々になってくることでしょう。
もう少し長く働きたい人もいるでしょうし、肉体的にも60代、70代はまだ若いという風潮になっていますよね。

人生100年時代

老後に対する不安が増えたという人もあるでしょうが、今まで誰も経験したことがない残りの人生を歩んでいくのですから、

前例はなく、何でもありかなとワクワクする気持ちもあります。

こんなエピソードを思い出しました。

今から半世紀前、私は20歳を目前に単身イギリスに渡りました。

英語を学ぶためとはいえ、初めて家族を離れて異国での生活、異文化の中、イギリス人家庭に居候の生活、慣れないことばかりで毎日必死でした。

50年前、日本とイギリスはとても遠い国。インターネットもSNSもありませんから、7日かかって届く日本からの航空便だけが頼りでした。

大学の先生が出発の前にロンドンのご友人を紹介してくださいました。

素敵なそのお婆さまは時折私をお茶に連れ出してくれて、遠くから来た一人ぼっちの私を励ましてくれました

半年経った頃、彼女は田舎にあるご自分の家に招いてくださいました。

ランチの後、ご近所の友人にお会いしたのがジェーンさんでした。

村の中を流れる小さな川。石の橋を渡ったほとりにあるジェーンさんの家は、まるでイギリスの童話から出てきたような小さなおうち。

小柄で笑顔のステキなお婆ちゃまは、甲斐甲斐しくお庭の井戸からお水を汲んでおいしい紅茶を入れてくださいました。

その時、お年が92歳でおまけにこのコテージに一人暮らしで自活していると聞いてとってもびっくりしました。

彼女は、若い頃から仕事をして、フランスでジャーナリストもしていたという経歴の持ち主でした。

私の拙い英語ででもどうしても聞きたかったことを聞いてみました。

「人生をあなたのようにいつまでも楽しく長生きする秘訣ってなんですか?」

その時におっしゃった2つのこと。

1つ目 寛容包容力
自分と違う人のことも理解しようとするオープンな心
多様性に強くなること。
それもいい、これもいいという考え方

2つ目 ユーモアのセンス
どんな時もそこに笑いを見つけるだけの心のゆとり
究極のユーモアとは、失敗した自分をもカワイイと思えること。

この2つは、その後、私の人生の支えとなってくれています。

私がもう一つ、付け足すとすれば
若い頃から自立心自律心を養っておくこと、、でしょうか。

人生100年時代

「こうでなければいけない」
「世の中はますます生きにくくなっている」

こんな考え方で生きていくのは大変なことですね。

寛容さユーモアの心
身も心も軽やかに、健康寿命を楽しみましょう。

2023.3.1
Romi

SNSSHARE

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COLUMNIST
中野 裕弓
人事コンサルタント
ソーシャルファシリテーター
中野 裕弓
HIROMI NAKANO
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19歳で語学研修のためロンドンに渡り、その後9年に及ぶ英国生活を経て、
東京の外資系銀行、金融機関にて人事、研修などに携わる。

1993年、ワシントンD.Cにある世界銀行本部から、日本人初の人事マネージャー、人事カウンセラーとしてヘッドハントされ世界中から集まったスタッフのキャリアや対人関係のアドバイスに当たる。

現在は一人ひとりの幸福度を上げるソーシャルリース(社会をつなぐ環)という構想のもと、企業人事コンサルティング、カウンセリング、講演、執筆に従事。 また2001年に世界銀行の元同僚から受けとったメッセージを訳して発信したものが、後に「世界がもしも100人の村だったら」の元となったため、原本の訳者としても知られる。

「自分を愛する習慣」をはじめ、幸せに生きるためのアドバイスブックや自分磨きの極意集、コミュニケーションスキルアップの本など著書多数。

2014年の夏、多忙なスケジュールの中、脳卒中で倒れ5ヶ月の入院生活を経験する。
現在はリハビリ療養の中で新しいライフスタイルを模索中。脳卒中で倒れたことが人生をますます豊かで幸せなものにしてくれたと語る。

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