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  • 中野 裕弓

子どもの将来

どういう子どもに育てていきたいか、悩む親御さんも多いと思います。

以前なら、自分たち大人の経験値をフル活用して、こっちの道がいい、こっちの進路の方が将来いい仕事に就ける、

幸せになる確率が高い…いろいろ考えを巡らせて子どもたちに伝えて導いてきましたよね。

親がレールを敷くのがうまい家の子どもたちは自分がなりたいものがあったり、行きたい道があっても、

なかなか思いを通すことが難しく、あちらはあちらで苦労していたんだと思います。

でも、時代は変わったのです。

風の時代“が始まって社会の仕組みも通念も世の中ガラッと変わってきたと感じてはいらっしゃいませんか?

(風の時代は2020年12月22日から本格的に始まったといわれています)

今、私たちが突き進んでいるこの「風の時代」、実は大人の私たちは全く経験したことがないのですね。

これからどんな世界が待っているのか、何がその世界を支える考え方なのか、何が常識となるのかもわからないのです。

だから、

新しい時代に対応する可能性を持っている子どもたちの進化成長を妨げるのだけはやめておきましょう。

今まで私たちは、こんな考え方で人生を決めてきませんでしたか。

こういう学校に通っていた方が良い大学に入れる
良い大学を卒業した方が良い就職口を見つけられる
よい安定した職業に就職できれば経済的により安定する。
経済的に安定すれば幸せは掴みやすい、、などなど。

これを疑いませんでした。

でもほんとにそうなのでしょうか?
これはあの時代にみんなで共有した幻想だったのではないでしょうか?

何ができるか」VS「何がしたいか

できることが増えれば、幸せになれるに違いない、とにかくいい学校に入れて成績をあげるように促してきました。

その時は本人が将来「何がしたいか?」なんて後回しでしたね。

ある時、息子が高校受験を終えたお母さんがこんな話をしてくれました。
「私の息子は進学校の受験に失敗してしまいました。塾にも通わせいろいろなものを犠牲にしてがんばらせたのに本当に残念。
受かったところはリストでもランクが下、私はがっかりです。
でも息子は初めからここがよかった、好きなクラブもあるしと嬉しそうですが、母親としては悔いが残ります。

学校のランクの違いが将来にも影響するのではと悩みは尽きません」

これからは
何ができるか」ではなく
何がしたいか
を軸に人生を歩んでいっていい時代になりました。

そのお母さんにこんな話をしました。

「子どもは自分にぴったりな学校を選びとって、引き寄せてくる力を元々持っているのです。

偏差値の高い学校に行っても納得できる充実した学生生活が待っているとは限りません。

勉強勉強と追いまくられて、自分の目的を見失ったりするより、自分が将来やりたいことがあって、

そのためにここで勉強したほうが、自分が1番輝くってことを無意識に感じ取っているのかもしれませんよ」

子どもが将来社会でどういう風に活動し、活躍しようと思って生まれてきたか、それは親が教えるものではなく、彼らが自分で掴み取っていくものです。

社会経験値の浅い子どもたちは、何も知らない、だからこそ、先輩の大人が導いてあげなければ…という時代は終わったのです。

親子が一緒に体験し、いろいろ話しながら臨機応変に道を模索していく、その方がお互い楽ですよ。

自分で自分の人生を拓いていきやすいように環境を整えることそれが周りの大人たちの役割だと思います。

なんだかワクワクしますね。

2023.2.1
Romi

SNSSHARE

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COLUMNIST
中野 裕弓
人事コンサルタント
ソーシャルファシリテーター
中野 裕弓
HIROMI NAKANO
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19歳で語学研修のためロンドンに渡り、その後9年に及ぶ英国生活を経て、
東京の外資系銀行、金融機関にて人事、研修などに携わる。

1993年、ワシントンD.Cにある世界銀行本部から、日本人初の人事マネージャー、人事カウンセラーとしてヘッドハントされ世界中から集まったスタッフのキャリアや対人関係のアドバイスに当たる。

現在は一人ひとりの幸福度を上げるソーシャルリース(社会をつなぐ環)という構想のもと、企業人事コンサルティング、カウンセリング、講演、執筆に従事。 また2001年に世界銀行の元同僚から受けとったメッセージを訳して発信したものが、後に「世界がもしも100人の村だったら」の元となったため、原本の訳者としても知られる。

「自分を愛する習慣」をはじめ、幸せに生きるためのアドバイスブックや自分磨きの極意集、コミュニケーションスキルアップの本など著書多数。

2014年の夏、多忙なスケジュールの中、脳卒中で倒れ5ヶ月の入院生活を経験する。
現在はリハビリ療養の中で新しいライフスタイルを模索中。脳卒中で倒れたことが人生をますます豊かで幸せなものにしてくれたと語る。

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