こんにちは、漢方養生スタイリスト「福田 貴之」です。
今回のテーマは「小満(しょうまん)」についてです。
異例の早さで梅雨に入り、今年は長梅雨になりそうですね。
湿気対策も必要ですが、暑さもより増していきますので今回は「小満(しょうまん)の養生についてお話していきたいと思います。
「小満(しょうまん)」は二十四節気の中の一つで、
今年2021年は5月21日が「小満(しょうまん)」の始まりと言われ、その後の「芒種(ぼうしゅ)」までの期間をいいます。
「小満(しょうまん)」とは、陽気(プラスのエネルギー)が強くなり、
万物(生きるものすべて)の成長する「気」(エネルギー)が次第に大きくなり
天地(すべて)に満ち始めることから「小満(しょうまん)」といわれています。
この時期は生きるため、食べるために必要な田植えが始まる時期ともいわれています。
※一説によると上記のように全ての物が生き生きする時期の始まりのため、「小さな満足(ワクワク)」がある時期ということから小満と言われるようです。
今回はこの時期の養生(元気に生きていくためにすること)についてお話していきたいと思います。
夏に向かって生きる物全てが、元気に育っていく中で、私たちは強い日差しと暑さと戦う時期が始まりました。
身体の熱を冷ましていくためにも、この時期は夏野菜などを使い、身体の熱を冷ます食養生を意識しましょう。
この時期に美味しい夏野菜といえば
・真っ赤なトマト
・みずみずしいキュウリ
・つや感が食欲をそそる茄子
・苦みが元気をくれるゴーヤ
などなど思い浮かぶと思います。
夏野菜は身体を冷やして熱を冷ましたり、身体の水の流れを良くしたり、日焼けによる炎症を軽減する力があります。
最近は過去のコラムでもお話したように、日本の季節がおかしくなっており、夏の暑さは尋常ないくらいの暑さです。
熱がこもりやすい時期の始まりですので、少しでも辛い状況を緩和するためにも、食材の旬を楽しんで乗り越えましょう。
5月全体で言えば、4月新しい生活のスタートによって色々なストレスが溜まり、「気虚(ききょ)」や「気滞(きたい)」を抱えて5月に入っています。
そして「五月病」とは東洋医学では「血虚(けっきょ)」と言われており
4月のエネルギーが足りない状況(気虚)またはエネルギーが滞る状態(気滞)によりストレスを抱え、血虚(けっきょ)という血液が足りない状況を起こしているといわれます。
血虚(けっきょ)は血(けつ)が虚(不足している)状況ですので、「血」(けつ)を補う食材も意識してみましょう。
血虚の時は「赤い食材」「黒い食材」を食事に取り入れると良いと言われています。
赤い食材:トマト、クコの実、ナツメ、小豆など
黒い食材:きくらげ、黒ゴマ、ひじき、黒豆など
また4月からの疲れが取れない人は、以下の食材も取り入れると良いと思います。
気虚→黄色い食材 (イモ類・お米などエネルギーになる食材)
気滞→香りのある食材 (シソ・柑橘類・パクチー・セロリで気の滞りを発散させていきましょう)
この先には「熱」と「湿」が悩ませる季節がやってきます。(もう今ですよね笑)
「湿」はむくみを起こしたり、胃が弱くなったりしますので、
冷たいものを避けて温かい食べ物や飲み物を採り胃腸を冷やさないように注意してくださいね。
毎日生きているということは色々なものから戦っていると思います。
悪い意味でなく、戦っているからこそ、元気であり、生き生きしていると思います。
今回は「小満」についてのお話と5月~の養生についてお話をしましたが、
少しでもこのコロナで制圧されている状況を楽しく過ごすためにも食養生に意識してみませんか?
変な気候が続きますが自分を大事にしてあげましょうね。
以上です。
ありがとうございました。
漢方養生スタイリスト福田 貴之でした。