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  • 中野 裕弓

我慢の時間◇

体調が芳しくないとき、あるいは元気がなくなった時、あなたを元気付けてくれるものは何かありますか。

聞くと元気になる音楽、見ると幸せになる動画、食べたら力が湧いてくるもの、見ているだけで癒されるペットたち…

私の場合、あるテレビの番組がいつも励まし元気をくれます。
それはNHK-BSのグレートトラバースと言う番組。

田中陽希さんというプロアドベンチャーレーサーの冒険家が南の屋久島から北海道の稚内まで、
途中の名山を全て網羅し登山しながら、道中すべて人力で一筆書きで踏破するというアドベンチャー番組です。

厳しい山登りも長距離の徒歩移動も、又はカヌーで海を渡っても人並外れた体力で一歩一歩進んでいく陽希さんの姿に私はいつも勇気と元気を貰います。

何度となく再放送されていますが、ある日、津軽海峡をカヤックで北海道に渡るというシーンがありました。
あいにく途中雨足が強くなり潮の流れも大荒れになり、、大変な思いをしてようやく岸にたどり着いたのです。

到着して最初の一言はなんだろうと思っていると
「いや〜我慢の時間でした!」

時の流れを切り取って「我慢の時間」と表現したことに新鮮な思いがしました。

いや〜大変でした、とか、もう生きた心地がしなかった〜と言う月並みのつらい感想を予想していた私。

「我慢の時間」と言い切っていた3時間半のカヤック。
画面で見ていてもその困難な状況にハラハラしました。
それを辛かったとか もうダメだではなくて「我慢の時間」と括っていたその姿にはっとしました。

辛い時、いつもそれが永遠に続くと思うと絶望的になります。
でもその時を「我慢の時間」と名付けることができたら、それを抜けたところまでイメージが広がります。
とにかく必ずその時間は過ぎるものと気持ちを切り替えることができます。

「楽しい時間」
「幸せな時間」
「苦しみの時間」
「ワクワクの時間」
「涙の時間」

こうやって何とかの時間とくくってみると、どれもそれが人生の大切なひとこまに見えてきました。

その一つ一つが、私たちの人生を鮮やかに彩り、生きる意味を深く考えるときに大切なひとこまになるのではないかしら。

そう思ったら、何事も永久に続くわけでは無いと思って目先のことにまた気持ちを切り替えることができます。

梅雨で湿度が高くなったり、猛暑になると体調が厳しくなります。

でもそんな時は「我慢の時間」と名前をつけて割り切ったら、今までとは違う感じで過ごせそうな気がしてきます。

嘆いていても24時間、
笑っていても24時間、
人を恨んでも24時間、
人と喜びを分かち合っても24時間、

地球上には同じ時間が流れています。
どういう時間を過ごすかはその人次第。
厳密に言えばその人の気持ち次第ということですね。

人の一生という時間だって必ず終わりが来ます。
時間は全て限りがあると思うと一瞬一瞬がキラキラ輝いてきます。

さぁ、今日はどんな「〇〇時間」を過ごしましょうか。

SNSSHARE

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COLUMNIST
中野 裕弓
人事コンサルタント
ソーシャルファシリテーター
中野 裕弓
HIROMI NAKANO
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19歳で語学研修のためロンドンに渡り、その後9年に及ぶ英国生活を経て、
東京の外資系銀行、金融機関にて人事、研修などに携わる。

1993年、ワシントンD.Cにある世界銀行本部から、日本人初の人事マネージャー、人事カウンセラーとしてヘッドハントされ世界中から集まったスタッフのキャリアや対人関係のアドバイスに当たる。

現在は一人ひとりの幸福度を上げるソーシャルリース(社会をつなぐ環)という構想のもと、企業人事コンサルティング、カウンセリング、講演、執筆に従事。 また2001年に世界銀行の元同僚から受けとったメッセージを訳して発信したものが、後に「世界がもしも100人の村だったら」の元となったため、原本の訳者としても知られる。

「自分を愛する習慣」をはじめ、幸せに生きるためのアドバイスブックや自分磨きの極意集、コミュニケーションスキルアップの本など著書多数。

2014年の夏、多忙なスケジュールの中、脳卒中で倒れ5ヶ月の入院生活を経験する。
現在はリハビリ療養の中で新しいライフスタイルを模索中。脳卒中で倒れたことが人生をますます豊かで幸せなものにしてくれたと語る。

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