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  • 中野 裕弓

卒業◇

高校最後の思い出話です。
今でもキュンとします。

当時、講堂の階段の横には
人がやっと通れるスキマがあり、その奥に秘密の隠れ場を見つけました。

卒業式が近い頃、親しい仲間たちと早朝、放課後、時間を見つけてはそこに潜り込んで過ぎ行く時間を惜しんでいました。

「離ればなれになりたくなーい」
「高校卒業したくなーい」
「時間が止まればいいのに」

肩を抱き合い涙を流していました。
それはそれは悲しいシーン。

小学校から同じ仲間と12年過ごした学校。

通い慣れた電車の通学路。
家と学校だけが自分の世界だったあの頃。
守られていて幸せだった、、、

そこを出て行くイメージが全く湧かない私たち。

もちろんインターネットなど情報のない時代です。
外の世界はどうなっているのか、全てが未知でまだ見ぬ世界が怖くて涙していました。

迎えた卒業式。

実はその日のことは断片的にしか記憶がありません。

もうここの生活は本当に卒業。
離ればなれになりたくなーい、と
階段下で抱き合って涙したことももう過去のこと、、

4月からみな、それぞれの道にばらばら散らばって行くのです。
大丈夫か、私たち。

ところが、、、

卒業式の翌日
あの場に戻った人は何人いたのでしょうか。
いえ、戻ることなど誰も全く考えもしなかったはず。

あんなに時間が止まって欲しかったのに、あんなに抱き合って涙したのに、です。

人生は確実に次の章に進んだのです。

4月からは新しい環境のことで頭も気持ちもいっぱい。
新生活に順応するために皆必死です。

そうやって人は変化に向き合って日々生きていくのですね。

そう考えると、

学生生活の卒業だけではなく
人生の卒業も
同じではないでしょうか。

「もっと長生きしたーい」
「死にたくなーい」
「死ぬのが怖ーい」

と言いながら、
でも
あちらから戻ってきた人は
(ほとんど)いません。笑

きっとあちらの世界の方がよっぽど愉しいに違いありません。

きっとあちらではステキな時間が待っているはず。

人生の卒業は経験したことはありませんが、
「卒業」を超えたら
All is well (すべて順調に流れる)
です。

さあ、
終わってしまったことに
想いを引きずられることなく

まだ起こっていない
未来のことなど
心配せずに

今日も今という時を
十分に味わい、
目の前のことを大切にして
穏やかに過ごしましょうね。

All is well ♥️

SNSSHARE

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COLUMNIST
中野 裕弓
人事コンサルタント
ソーシャルファシリテーター
中野 裕弓
HIROMI NAKANO
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19歳で語学研修のためロンドンに渡り、その後9年に及ぶ英国生活を経て、
東京の外資系銀行、金融機関にて人事、研修などに携わる。

1993年、ワシントンD.Cにある世界銀行本部から、日本人初の人事マネージャー、人事カウンセラーとしてヘッドハントされ世界中から集まったスタッフのキャリアや対人関係のアドバイスに当たる。

現在は一人ひとりの幸福度を上げるソーシャルリース(社会をつなぐ環)という構想のもと、企業人事コンサルティング、カウンセリング、講演、執筆に従事。 また2001年に世界銀行の元同僚から受けとったメッセージを訳して発信したものが、後に「世界がもしも100人の村だったら」の元となったため、原本の訳者としても知られる。

「自分を愛する習慣」をはじめ、幸せに生きるためのアドバイスブックや自分磨きの極意集、コミュニケーションスキルアップの本など著書多数。

2014年の夏、多忙なスケジュールの中、脳卒中で倒れ5ヶ月の入院生活を経験する。
現在はリハビリ療養の中で新しいライフスタイルを模索中。脳卒中で倒れたことが人生をますます豊かで幸せなものにしてくれたと語る。

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