後ろ姿を見せる(2018年5月27日の朝礼より)
マネジメントの方法にもいろいろあります。
僕もいろんなマネジメントを学んできました。
その中でこのフィロソフィーを作ったのは天外伺朗さんという
ソニーの常務をしていてアイボなどを開発した方の
“マネジメント革命”という本を読み経営手法を勉強しました。
その本の冒頭に書いてあったんですが、
日本式の経営の中で例としてわかりやすく言われているの
ムカデ競争のように足を縛られて、いちに、いちにと周りと歩調を合わせながら走っていく。
それが今までの日本のサラリーマンの姿ということで、
今、世界では足から紐が離れて、みんな思い通りに
自由な姿で同じ方向に走っていく集団というのがある。
後ろ姿を見せるというマネージメントがあり
逆に、マイクロマネジメントというのがあります。
マイクロマネジメントは要するに日本語でいうと過干渉です。
いろんな出来事をこと細かく報告させないと気がすまない。
これをやりすぎるとどういった弊害が起きるかというと、
部下、メンバーの人は報告することが仕事になり、
お客様に喜んでもらうためにはどうしたらいいかというより、
上司に怒られないために報告をするのが仕事になります。
上司は部下から報告なく勝手なことをされると、カチンと怒ります。
僕にもそういった時期もありましたが、
そういった勉強をしていきながら、社員は暴走するくらいがちょうどいいと。
自分で前向きに失敗したならいいじゃないかと、
そのぐらいの許容範囲を持って
マネジメントにあたるように心がけています。
上司の立場からいうと不安なのです、
「もしミスが起きたら大変だから報告をしっかりしてほしい。」
そういう上司の気持ちもわかってあげて下さい。
上司のマネジメントにも何種類かあって、
過去の自分が教わってきた職場のタイプにもよります。
新入社員で入ってきた人はここが最初の職場ですが、
以前に、前職が厳しい職場もあると思います。
自分が最初の上司から受けたマネジメントが
やはり影響して、同じようにする場合があります。
もうひとつが馬頭観音型マネジメントです。
とにかく上から押さえつけるマネジメントです。
リーダーの人に何年か前に勉強会をして、
自分はどこに当てはまりますかと自己分析をしてもらったことがあります。
その中で理想とされるマネジメントは何かというと、
長老型マネジメントと言われていまして、
天外さんが、インディアンにいろんなことを学びに行って、
インディアンの長老のマネジメントが理想的だと仰っています。
長老型マネジメントというのは部下を信頼して
受け止めて、なにかあったらサポートする。
一歩引いた中でチームの勢いを大切にして、
部下のパフォーマンスがいかにしたら最大限発揮されるのか、
部下の力を引き出すマネジメント。
一歩引いて自分が表に出ず、でも何かあったら出ていくというのが
長老型マネジメントです。
言い方を変えれば徳を積む、徳でマネジメントをすると仰っています。
この本の中に書いてあるのですが
ガルウェイというテニスのコーチがいます。
通常、たとえば僕達がゴルフをプロに教えてもらうときに
よくあるパターンが「ちょっと打ってみなさい」と言われて、
欠点を指摘されます。
ガルウェイというテニスのコーチは自分が打つ姿を見せる。
擬音を使って表現するそうですが、、
コーチを姿を見せると上達がすごく早いらしいです。
欠点を指摘してそこを直すというよりも、
まずは見せてイメージさせていいところを伸ばしていく。
そういう有名なコーチの話もこの本の中には出ています。
マイクロマネジメントや馬頭観音型マネジメントではなく、
そのような長老型マネジメントが理想のマネジメントと言われています。
家庭でも一緒だと思います。
家で小さい子がいる家庭というのは、
お父さん、お母さんが家に帰ってきたときの親の姿を見て、
仕事っていうものに対して「仕事ってつらいものなんだ」と子供は感じます。
僕は子供の前では「疲れた、今日は大変だった」とは家庭では絶対言わないようにしています。
「忙しかった」を「充実していた」と言い換えたりします。
疲れて仕事が大変だ大変だと言っていると、
社会人になったら大変なんだと思ってしまうと思ったためです。
それが、後ろ姿なわけです。
お父さんが大変だ大変だと言っていると
お父さんの会社で働きたくないですよね。
そういう、自分の後ろ姿が一番見られるということですので、
マネジメントしすぎるマイクロマネジメントではなく、
後ろ姿を見せて引っ張っていくマネジメントをしていきましょう。