人を見て法を説く(2018年4月16日の朝礼より)
このフィロソフィーはどこからきているかというとお釈迦様です。
仏教の開祖、お釈迦様、釈尊が2500年前くらいに菩提寺の木の下で悟りをひらきました。
悟りとは物事の真実というか、そういったものを知りたくて、
もともとは皇太子というか、皇族の家で生まれた方でずっと外に出たことがない育ちでした。
初めて外に出たときに病気の人とか、いろんな不浄なものを見て、出家という形で身分を捨てて出ていった。
その中で世の中の本当の真実を知りたいということで、難行苦行をされて、
断食をされて骨と皮の状態になったり、
菩提寺の木の下で悟りを開くまで座られて、
悟りをひらいて世の中の真実がビビッときたらしいですが、
だたそれを世の中に伝えるべきか迷ったそうです。
これはたぶん伝えてもわからないということで、
やはり自分なりに伝えていこうと、伝え方を考えました
当時は貧富の差が激しいし、農民や貴族といった階級差もある。
人によって教育の差もすごくありました。
人によって伝え方を変えたということが、対機説法です。
その対機説法をいろんな伝え方をした中で
仏教の中にも浄土宗があったり、日蓮宗があったり、
曹洞宗があったり、いろんな宗派に分かれています。
もとを正せばお釈迦様、釈尊です。
伝え方が変わって7000巻、8000巻と言われる巻物が、
弟子たちが「釈尊はこう言った」と伝えています。
それが7000~8000の巻物に残っていろんな宗派になった、という
それがもともと「人を見て法を説く」という語源です。
そこから私達が何を学ぶかというと、私達も
業界の用語とかに対応したり、相手によって言い方を変えるということ。
新入社員には新入社員への言い方をするし、
幹部には幹部の言い方をするし、
経営者には経営者の話をします。
女性が多いときは女性向けの話をするし、
主婦が多いときは主婦向けの話をします。
同じ話でも、会場の雰囲気とか、
今日は雰囲気が沈んでいるときとか、男性が多いときに
話し方を変えられるくらいになれば素晴らしいと思います。
僕も気をつけているのが、専門用語や英語を羅列しないことです。
たとえば、ダイバーシティってみなさんわかりますか?多様性のことを言います。
と、いかにも知ったかぶりをして言う言い方もありますが、僕はこう言います。
「今は世の中が多様化しています。多様性ということがキーワードです。
これはダイバーシティというふうにも言いますけど…」と。
これは相手を傷つけません。
「ダイバーシティわかりますか?わからない?多様性というんですよ」
と、上から目線で偉そうじゃないですか。
相手の自尊心を傷つけないように僕がそういう言い方をして、
本とか読んで「多様性、ダイバーシティ、多様性の時代なんだ」と、
解説しながら理解してもらいながら、わかった人には
いらないことかもしれませんが、言い方でも変わってきます。
僕らがエステティック業界に入ったときも当たり前のように
「デコルテは…」と言われてデコルテがわからず、
僕はわからないことはなんでも聞くようにしています。
「すいません、デコルテってどこのことをさしてるんでしょうか?
おでこでしょうか?」と聞いて、
だんだん覚えていきましたが、話す人の配慮が必要かと思います。
自分も話し方を気をつけないといけないし、
逆の立場でいえば、インターネットでは特に専門用語が多いです。
人が多い公衆の面前でのマナーなど
すべて含めてビジネスは三人称というところに通じると思います。
三人称目線で、自分目線、相手目線よりも周り目線で
どう見えるかということで、周り目線を考えて話すということも必要かと思います。
人を見て法を説くという解説でした。